ワイオミング州、ステーブルコイン発行に先立ちインカ・デジタルとの提携を発表

- ワイオミング州ステーブルトークン委員会は、アナリスティックプロバイダーのインカ・デジタルと提携し、同委員会が詐欺リスクを監視し、軽減するための支援を受けると発表した。
- 「インカ・デジタルとの提携は、透明性、セキュリティ、イノベーションへのコミットメントにおける重要な一歩だ」と、ワイオミング州ステーブルトークン委員会のエグゼクティブディレクター、アンソニー・アポロ氏は述べた。
米ワイオミング州のステーブルトークン委員会は5月12日、分析プロバイダーのインカ・デジタル(Inca Digital)と提携し、ワイオミング州ステーブルトークン(WYST)の発行に向けて同委員会の詐欺リスクの監視と軽減のための支援を受け、トークンの安全性を確保すると発表した。
インカは、高度な分析力と市場横断的な監視を提供し、WYSTが直面する可能性のある脅威を検出する支援を行うと同社はプレスリリースで述べた。
WYSTはアメリカの地方公共団体が発行する初の完全準備金担保型の法定通貨連動型ステーブルトークンとなる予定だ。ワイオミング州のマーク・ゴードン(Mark Gordon)知事は3月、ステーブルトークンのテストフェーズを2025年2四半期まで継続し、7月までにローンチする可能性があると述べた。
ワイオミング州は過去に、暗号資産(仮想通貨)とブロックチェーンのハブとなるため、業界に友好的な政策を策定し、アメリカの他の地域に先駆けて、その方向性を示してきた。2018年以降、暗号資産業界を規制する35件を超える法律を可決し、その結果、3000社を超えるテクノロジー企業の誘致に成功している。
「インカ・デジタルとのパートナーシップは、透明性、セキュリティ、イノベーションへのコミットメントにおける重要なステップだ」と、ワイオミング州ステーブルトークン委員会のエグゼクティブディレクター、アンソニー・アポロ(Anthony Apollo)氏は述べている。
他のステーブルコイン同様、WYSTは資産にペッグされている。ローンチ後は、1米ドルと交換可能で、米国債、現金、レポ取引で完全に裏付けられた暗号資産となる。
ステーブルコイン市場は急速に成長しており、CoinGeckoのデータによると、現在の市場規模は245億ドル(約3兆5525億円、1ドル=145円換算)に達している。スタンダードチャータード(Standard Chartered)の予測によると、ステーブルコインに関する規制が整備されれば、この数字は3年以内に2兆ドル(約290兆円)へと10倍に増える可能性がある。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Wyoming Taps Inca Digital to Secure First State-Issued Stablecoin Ahead of July Launch