Shopify、世界中の事業者向けにコインベースのベース上でUSDC決済を可能に
  • USDCステーブルコインでの決済が、世界中の数百万のShopify利用事業者向けにベース(Base)上で利用可能になる。
  • この取り組みは、暗号資産(仮想通貨)ネイティブのインフラを活用してグローバルな商取引を効率化することを目的としている。

EC大手企業のShopify(ショッピファイ)は、暗号資産取引所コインベース(Coinbase)のイーサリアムレイヤー2ネットワーク「ベース」を通じて、事業者向けにステーブルコイン決済を導入すると、両社が6月12日に発表した。

この統合は6月12日に早期アクセス事業者の一部に導入され、今年後半にはShopify Paymentsを利用するすべての事業者向けに拡大される見込みだと、両社は述べた。

導入が完了すると、事業者はサークル社の手がけるステーブルコイン、USDコイン(USDC)での支払いをオンチェーンで受け付けつつ、外国為替手数料を支払うことなく現地通貨での決済を受けることが可能になる。

Shopifyは、USDCで支払う顧客に1%のキャッシュバックを提供する計画だと発表した。この機能は今年後半にリリースされる予定である。

現実資産に価値が連動したデジタルトークンであるステーブルコインは、暗号資産間で資金を移動する際の法定通貨への変換を回避するだけでなく、より幅広い用途で利用されるようになっている。

ステーブルコインの利用は爆発的に増えており、供給量は前年比54%増加。ペイパル(PayPal)やグラブ(Grab)などの企業が支払いや国際送金に利用するケースが増加している。

今回の新しい取り組みは、暗号資産ネイティブのインフラを活用してグローバルな商取引を効率化することを目的とし、コスト削減と効率向上を実現する。基盤となるのは、コインベースとShopifyが共同開発した新しいオープンソースの支払いプロトコルである。

このスマートコントラクトと商取引決済プロトコルは、支払い承認と実際の決済(お金の引き落とし)の間に時間差を設ける遅延決済、税金計算、返金処理などの標準機能をサポートし、事業者の既存の注文履行システムに直接統合される。

Shopifyは、低コスト、高速、安全な取引環境を理由にベースを選択し、暗号資産決済を主流の小売体験に組み込むことを目指していると述べた。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:IB Photography / Shutterstock.com
|原文:Shopify to Enable USDC Payments on Coinbase’s Base for Merchants Worldwide