ステーブルコイン規制法可決で、サークル株が急騰──上場以来、500%以上の上昇
  • サークルの株価は、アメリカ上院がステーブルコインを規制対象として支援する法案を可決したことを受け、34%急騰し、時間外取引でもさらに上昇した。
  • GENIUS法案が成立するには下院の承認と大統領の署名が必要だが、この法案はステーブルコインをアメリカの金融システムに統合することを目指している。
  • サークルの株価は上場以来540%以上上昇しており、デジタル決済の将来における同社の役割に対する投資家の楽観的な見方を反映している。

サークル(Circle)の株価は6月18日に34%急騰し、時間外取引ではさらに6%上昇した。これは、アメリカ上院がドルに裏付けられたステーブルコインを支援する画期的なGENIUS法案を可決したためだ。

この動きを受け、サークルの株価は終値で199.59ドルとなり、時間外取引では最高値211.87ドルを記録した。6月5日の初値以来、540%以上上昇しており、上場後の暗号資産(仮想通貨)銘柄としては最も急速な上昇率を記録している。

GENIUS法案は、アメリカ企業が決済手段として法定通貨に裏付けられたステーブルコインを発行・管理する方法を規定している。下院の承認とドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の署名が必要だが、上院での可決は、暗号資産決済をアメリカの規制対象に組み込むことに対する超党派の強い支持を示している。

「歴史が作られつつある」とサークルのジェレミー・アレール(Jeremy Allaire)CEOはXで語り、この法案はアメリカの競争力にとって画期的なものになると述べた。

トランプ大統領はトゥース・ソーシャル(Truth Social)への投稿で、この法案によってアメリカは「暗号資産における紛れもないリーダー」になると述べた。

「上院は、アメリカを暗号資産における紛れもないリーダーにする素晴らしい法案を可決した。これより優れた法案は他にない。まさに天才的なアイデアだ」とトランプ大統領はトゥース・ソーシャルへの投稿で述べている。「暗号資産は未来であり、我が国がそれを手に入れることになる」。

流通額で現在世界第2位のステーブルコインであるUSDCコイン(USDC)を発行するサークルは、長年にわたり暗号資産のドルに関する明確なルールの制定を求めてきた。18日の株価上昇は、アメリカがステーブルコインをデジタルの現金同等物として正式に受け入れた場合、サークルが最大の恩恵を受けるだろうという投資家の信頼を反映している。

出来高は6000万株を超え、平均の約2倍となった。サークルのこの日の取引価格は148ドルから200.89ドルだった。時価総額は480億ドル(約6兆9600億円、1ドル=145円換算)を超え、従来の決済企業数社を圧倒している。

今週初めにサークルの調査を開始したバーンスタイン(Bernstein)のアナリストは、この法案は「ステーブルコインのイノベーションをアメリカに回帰させる」ものであり、海外の発行者から規制対象のアメリカ企業へと活動を戻す効果があると指摘した。

アナリストのゴータム・チュガニ(Gautam Chhugani)氏は、「この法案はステーブルコインを決済用として明確に定義しており、法的扱いをデジタル現金に近づけ、暗号資産の枠を超えたメインストリームへの道を開く」と述べた。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:サークルのジェレミー・アレールCEO(左)。 (Shutterstock/CoinDesk)
|原文:Circle Rockets After Stablecoin Bill Clears Senate, Pushes Post-IPO Rally to Over 500%