トランプ大統領のイスラエル・イラン停戦発表で、イーサリアム、ソラナ、カルダノが7%急騰

- トランプ大統領がイスラエルとイランの停戦を発表したことを受け、主要暗号資産が急騰した。
- イーサリアム、ソラナ、カルダノは、不安定な週末を経て取引量が回復したことで約7%上昇した。
- ビットコインは堅調な動きを維持しており、機関投資家からの資金流入とETFの需要がマクロヘッジとしての役割を示唆する中、10万5000ドル付近で推移している。
6月24日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領がイスラエルとイランの停戦交渉を仲介したと発表したことで、リスク資産全般に不安定ながらも落ち着きが広がり、主要な暗号資産(仮想通貨)が急騰した。
「イランが停戦して、12時間後にイスラエルも停戦し、24時間後に12日間の戦争が正式に終結し、世界がそれを祝うことになる」とトランプ大統領は自身のトゥルース・ソーシャル(Truth Social)のアカウントで述べた。
イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、カルダノ(ADA)は、過去24時間で7%程度急騰した。ETHは一時2400ドルを上回り、SOLとADAはそれぞれ140ドルと0.50ドルのサポートラインを上回った。
暗号資産の取引高も、日曜から月曜にかけての激しい売り圧力により約6億ドル(約870億円、1ドル=145円換算)のロングポジションが清算された後、回復した。エックス・アール・ピー(XRP)、バイナンスコイン(BNB)、ドージコイン(DOGE)も4%から6%上昇した。主要トークンを追跡する流動性指数であるCoinDesk 20指数(CD20)も3%以上上昇した。
この反発は、マクロ経済の緩和を受けてのものだ。ブレント原油(Brent Crude)は1.8%下落し、S&P 500先物は、両政府による停戦の正式な確認がないにもかかわらず、プラスに転じた。しかし、トレーダーは、ボラティリティの落ち着きを見込んで、アルトコインに再び資金をシフトさせた。
「市場はまもなく正常化し、最新の地政学的なエピソードから脱却すると考えている」と、シグナルプラス(SignalPlus)のインサイト担当責任者であるオーガスティン・ファン(Augustine Fan)氏は述べた。「しかし、最近のロングポジションを清算するに至った大きな調整や、新たな金融工学の試みとしてビットコイン(BTC)社債の発行を目指す上場企業からのネガティブなFOMO(取り残される不安)シグナルに我々は懸念を抱いている」とファン氏は付け加えた。
一方、ビットコインは10万5000ドル近辺で調整を続け、機関投資家からの資金流入が安定する中、上値抵抗線を試している。一部のアナリストは、過去数週間のパフォーマンスに構造的な強さを見出しているようだ。
「10万ドルを上回る水準を維持していることは、地政学的なリスクやマクロ経済の変動の中での回復力を示している」と、ハッシュキー・エコ・ラボ(HashKey Eco Labs)のCEOであるケイ・ルー(Kay Lu)氏はCoinDeskに述べた。
「機関投資家からの資金流入とETF需要が回復する中、BTCが伝統的なリスクオフシグナルから乖離していることは、長期的にマクロヘッジとしての役割が成熟していることを示唆している」とルー氏は付け加えた。
それでも、一部のトレーダーは、次の動きは利益確定売りで、特にイーサリアムのような過熱気味のトークンで見られる可能性があると警告している。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Ether, Solana, Cardano Spike 7% as Trump Claims to Broker Israel-Iran Ceasefire