強気ムードが続く中、XRPとSOLが主要コインの利益確定を主導
  • マクロ経済の好材料にもかかわらず、投資家が利益確定に動いたため、ビットコインは10万7000ドル前後で取引されている。
  • XRPとSOLは下落し、週初めからの上昇分を失った。その他の主要な暗号資産は小幅な下落となった。
  • 暗号資産市場への楽観的な見方は、インフレの緩和、地政学的なリスクの回避、そしてアジアにおける好ましい規制の進展によって推進されている。

6月27日、暗号資産(仮想通貨)市場は一息つき、ビットコイン(BTC)は10万7000ドル前後で取引された。マクロ経済の強力な追い風にもかかわらず、投資家はエックス・アール・ピー(XRP)やソラナ(SOL)といった主要コインで利益確定を行った。

XRPは4%以上下落し、週初めの上昇分を失った。一方、SOLも3%下落し、140ドルのサポートレベルを再び試している。バイナンスコイン(BNB)、ドージコイン(DOGE)、カルダノ(ADA)、イーサリアム(ETH)は小幅な下落となった。

この小幅な調整は、インフレ指標の鈍化、地政学的リスクの減少、そしてアジアの暗号資産政策枠組みをめぐる新たな楽観論に牽引され、主要コインにとって概ね好調な週となった後の動きだ。

暗号資産取引所BTSEのCOO、ジェフ・メイ(Jeff Mei)氏は、CoinDeskへのテレグラムのメッセージで、「ビットコインが過去最高値である約11万2000ドルを超える条件が整ったと考えている」と述べた。

「特に、イランとイスラエルの紛争が当面、終結したように見えることを考えるとなおさらだ」とメイ氏は付け加えた。「インフレ懸念の緩和と関税緩和の可能性は、パウエルFRB議長への圧力を強めており、議長は近いうちに利下げするか、予想よりも早く交代する可能性が高い。いずれにせよ、市場は上昇するだろう」。

これらのコメントは、伝統的市場と暗号資産市場の両方がマクロ経済ストレスの緩和の兆候を消化している中で発せられた。先週発表されたアメリカのインフレ指標は、引き続き減速傾向を示している。

市場全体のリスク選好度は急速に回復している。S&P500は今週、過去最高値を更新し、暗号資産ETFへの資金流入は堅調に推移している。これは、機関投資家の参入拡大を示す重要な指標と市場関係者は見ている。

一方、トランプ政権は、アメリカ企業への圧力を軽減するため、提案されている貿易関税の引き下げを検討していると報じられている。この動きはインフレ率を低下させ、FRBが予想よりも早く利下げを検討するきっかけとなる可能性がある。

「地政学的な不確実性によりビットコイン価格が10万7000ドル前後で推移する中、暗号資産ETFへの流入が引き続き好調であることから、機関投資家は強気な見方を維持しているようだ」と、OSLの最高商務責任者であるユージン・チャン(Eugene Cheung)氏はCoinDeskへのメッセージで述べた。

「香港の『Policy Statement 2.0』に基づく暗号資産規制のアップデートにより、現実資産(RWA)のトークン化とステーブルコインのライセンス導入が可能になるかもしれない。規制当局が暗号資産業界にとって適用可能な政策を継続的に策定しているため、楽観的な見通しを抱いている」とチャン氏は述べた。

今週初めに発表された香港のPolicy Statement 2.0は、アジアの暗号資産のハブになるという香港の野心に基づいている。

この枠組みは、ステーブルコイン発行者、トークン化企業、暗号資産取引プラットフォームがライセンス制度の下で事業を運営するためのより明確な道筋を示しており、これはアメリカの断片的な規制姿勢とは対照的だ。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:XRP, Solana Lead Profit-Taking Among Crypto Majors Even as Bullish Mood Persists