上場企業のアルトコイン購入が急増──アニモカブランズが戦略的転換を分析

- 上場企業は、ビットコインの財務戦略をETH、SOL、XRPなどのアルトコインにも展開している。
- アニモカブランズ・リサーチによると、企業によるアルトコインの購入は株価の急騰を引き起こしている。
- このレポートでは、アルトコイン財務戦略はリスクを伴うものの、暗号資産市場に正当性をもたらす可能性があると指摘している。
アニモカブランズ・リサーチ(Animoca Brands Research)の最新の報告書によると、ビットコイン(BTC)を購入する財務戦略と同様のモデルとして、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、エックス・アール・ピー(XRP)などのアルトコインを購入する上場企業が増加している。
「アルトコイン戦略準備金(Altcoin Strategic Reserves)」と題されたこの報告書は、企業が転換社債や株式発行などの金融工学ツールを活用して暗号資産(仮想通貨)へのエクスポージャーを拡大し、時間の経過とともに1株当たりの暗号資産保有量を増加させることを目指していることを説明している。
この戦略は、60万BTC以上を保有し、BTCをインフレや通貨価値下落へのヘッジ手段と位置付けるストラテジー(Strategy)によって広まった。
現在は、アルトコインが注目されている。バイナンスコイン(BNB)、トロン(TRX)、ハイパーリキッド(HYPE)、フェッチAI(FET)などの資産をバランスシートに追加する企業は、これらのトークンへのエクスポージャーを望むが現物ETF(上場投資信託)のような容易な参入手段を持たない投資家にとって希少なアクセスポイントと位置付けられている。
株式市場も反応している。アニモカによると、アルトコインの保有を発表した企業の株価は、1日で平均150%、1週間で185%、1カ月で226%上昇した。ただし、これらの戦略には大きなリスクが伴う。アルトコインはビットコインよりも価格変動が激しく、流動性が低く、技術的に実験的な要素が多いため、景気後退時に損失が拡大する可能性がある。
それでも、トークンがステーキングやその他のネットワークベースの機能に利用される場合、それがエコシステム全体の流動性、セキュリティ、正当性を高める可能性があると報告書は指摘している。そのため、財務資産としてのアルトコインは、暗号資産の広範な採用を加速する潜在的な要因となる可能性がある。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:アニモカブランズの共同創業者兼会長、ヤット・シウ氏(Shutterstock/CoinDesk)
|原文:Public Companies Buying Altcoins: Animoca Brands Report Explores Strategic Shift