ビットコイン、11万8000ドル割り込む──「ラリーは依然として堅固な基盤を維持」とコインベース

- 暗号資産(仮想通貨)価格は7月18日、下落した。これは、米国でのデジタル資産関連の法案成立や、暗号資産を確定拠出年金の運用対象に含めることに対する楽観的な見通しを受けて、投資家が利益確定売りを進めたためだ。
- ビットコインは11万7500ドルまで下落し、イーサリアムとXRPも夜間の上昇分の一部を失った。
- 下落は予想されていたものの、デリバティブ市場、オンチェーンデータ、マクロ経済の状況から、ビットコインにはさらに上昇余地があるとの見方が、コインベースのレポートで示された。
暗号資産のラリーは7月18日、鈍化した。「クリプト・ウィーク」で米議会が画期的な暗号資産関連法案を可決し、トランプ大統領が確定拠出年金(401k)でのデジタル資産投資を認める可能性に期待が高まった楽観的なムードが、利益確定の機会へと転じたためである。
ビットコイン(BTC)は、米国株式市場取引時間中に12万ドルを上回る水準から11万7500ドルまで下落し、過去24時間では0.6%下落した。
14日の12万4000ドル付近までの急騰後、前週比でもほぼ横ばいの状態が続いている。
イーサリアム(ETH)は18日午前、2025年の最高値付近の3700ドルまで急騰した後、下落に転じ、当記事執筆時点では3550ドル付近で取引されている。それでも、過去24時間では4.5%、過去1週間では20%以上値上がりしている。
エックス・アール・ピー(XRP)は17日、2018年に記録した史上最高値を更新したが、18日午前には3.60ドルという新たな史上最高値を記録した。しかし、その後3.4ドルを下回る水準まで下落した。それでも、日次で4%、週次で35%の上昇を維持した。
広範な暗号資産市場のベンチマークであるCoinDesk 20 Indexは、夜間に過去最高の4133を記録した後、そのピークから3.7%下落した。
マクロ面では、ミシガン大学が7月に実施した調査によると、消費者信頼感は2024年12月から16%低下し、最近の回復傾向にもかかわらず、歴史的平均を下回っている。
インフレ期待は依然として低下傾向にあるものの、高水準を維持している。消費者は来年1年間のインフレ率を4.4%と予想し、先月の5%から低下した一方、長期的なインフレ期待は4%から3.6%に低下した。
「クリプト・ウィーク」を締めくくる形で、トランプ氏はステーブルコインに焦点を当てた「GENIUS法」に署名する見込みで、これは暗号資産業界を規制するための最初の主要な連邦法となる。
ビットコインの次なる展開は?
ビットコインが記録的な水準を下回る中、他の暗号資産への資金移動が週を通して加速した。イーサリアムとXRPは過去1週間で20~25%上昇し、ドージコイン(DOGE)、スイ(SUI)、カルダノ(ADA)、アバランチ(AVAX)、ユニスワップ(UNI)を含むその他の主要トークンは、横ばいのビットコインとは対照的に、2桁の増加率を記録した。
リサーチ部門責任者デビッド・ドゥオン(David Duong)氏率いるコインベースのアナリストチームは18日のレポートで、現在の上昇は「構造的な強さと着実な蓄積に支えられており、過剰な投機によるものではない」と指摘した。
デリバティブ市場は過剰なフロス(泡)を示しておらず、グローバルな流動性の状況がリスク資産とETFを支え、暗号資産財務戦略企業は継続的な需要を示しているとアナリストらは主張し、ビットコインにはさらに上昇する余地があると予測している。

「揺り戻しが発生する可能性はあるが、現在のオンチェーン指標と市場動向は、ビットコインの上昇がサイクルの終盤の過剰な陶酔感ではなく、堅固な基盤に支えられていることを示している」と、アナリストらは主張した。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:7月18日のビットコインの値動き(CoinDesk)
|原文:Bitcoin Slips Below $118K, ETH, XRP Pare Big Gains, but Rally Remains on Firm Ground, Says Coinbase