JPモルガン、ブロックチェーン決済情報ネットワークを日本で拡大——ブルームバーグ

米金融大手JPモルガン・チェース(JPMorgan Chase)のブロックチェーン決済情報プラットフォームは、日本でもその利用拡大が期待される。

JPモルガン・チェース銀行東京支店の真井大三郎金融営業法人部長は、2019年12月9日(現地時間)付のブルームバーグ(Bloomberg)による報道で、同社の銀行間情報ネットワーク(Interbank Information Network:IIN)の日本でのローンチを1月に目指していると語った。

JPモルガンの開発した、イーサリアムに基づく許可型ブロックチェーンのクォーラム(Quorum)上に作られたIINは、加盟銀行がリアルタイムで情報を交換できるように設計され、決済の承認を認証することを可能にする。このことは、国際的決済における摩擦を解消し、最終的には処理時間の短縮につながると、同行は主張している。

このシステムはさらに、マネーロンダリングのリスクを減らす方法でもあり、それが80を超える日本の銀行がIINへの参加に興味を示している理由だと、真井氏は述べた。

金融活動作業部会(Financial Action Task Force:FATF)が2014年に「多数の深刻な欠陥」を指摘して以来、日本はそのアンチマネーロンダリングの取り組みを強化するように圧力にさらされてきた。

決済プロセスでの遅れを減少させることのできるIINの能力によって、加盟銀行はマネーロンダリングが疑われる事態において警察と迅速に協力できると、IIN参加への関心を表明している三井住友信託銀行の担当者はブルームバーグに語った。

真井氏も、このシステムが支払いの受け手のふるい分けを「より素早くより効率的」にするとして、この考えに同調する。

JPモルガンのウェブサイトによれば、11月半ば時点で、世界の他の地域からは約365の銀行がIINヘ参加している。オーバーシー・チャイニーズ銀行(Oversea Chinese Banking Corporatio:OCBC)は9月、シンガポールの銀行として初めてINNに参加した。ユーロ建ての決済の清算では世界最大の銀行であるドイツ銀行(Deutsche Bank)も同月にIINの加盟銀行となっている。

報道によれば、関心を寄せている80すべての邦銀がIINに参加すれば、1つの国からの参加銀行数としては最大になる。

翻訳:山口晶子
編集:T. Minamoto
写真:Shutterstock
原文:JPMorgan Blockchain Payments Network Eyes January Japan Launch