- 28日の米国取引時間終盤、暗号資産は静かに続いていた価格下落を加速させ、急落。一方、米国株は史上最高値を更新した。
- この下落は、テクノロジーおよびAI分野の指標銘柄であるNvidiaのCEO、ジェンスン・フアン氏がGPUテクノロジーカンファレンスで講演を行った際、同社の株価が5%上昇したのと同時に発生した。
ビットコイン(BTC)の上昇の試みは28日に再び失速し、11万6000ドル超の価格を維持できなかった。
米国取引時間の午後に売り圧力が強まり、ビットコインは11万3000ドルを下回る水準まで押し戻され、27日の反落とほぼ同じ動きとなった。世界最大の暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは11万2700ドルで取引され、過去24時間で2%弱下落している。
イーサリアム(ETH)は4%下落し、4000ドルの水準を割り込んだ。暗号資産市場全体は概ね下落基調で、米国におけるソラナ(SOL)、ライトコイン(LTC)、ヘデラ(HBAR)の3つの暗号資産の新規現物ETF(上場投資信託)上場に対する反応はほとんど見られず、ソラナとライトコインはそれぞれ約4%下落し、ヘデラはETF関連の上昇分の半分を失った。
米国株が上昇し、S&P500が史上初めて6900を突破し、ナスダック総合株価指数も史上最高値を更新する中、暗号資産の動きは一層精彩を欠いた。特に目立ったのはテクノロジー大手のエヌビディア(Nvidia)で、CEOのジェンスン・フアン(Jensen Huang)氏がGPUテクノロジーカンファレンスで講演を行った際、株価は5%上昇して史上最高値を更新し、時価総額は4兆ドル(約608兆円、1ドル152円換算)に迫った。
取引時間序盤は概ね上昇していた暗号資産関連株も、急落して取引を終えた。マイニング企業からAIインフラ企業へと転換したビットファームズ(Bitfarms)、クリーンスパーク(CleanSpark)、ハイブ・ブロックチェーン(Hive Blockchain)、アイレン(IREN)は4~5%安となり、ギャラクシー・デジタル(Galaxy Digital)は11億5000万ドル(約1748億円)の資金調達を発表したにもかかわらず8%下落。世界最大のビットコイン保有企業であるストラテジー(Strategy)は3.7%下落した。
ビットコインにさらなる下落リスク
ビットコインは10月11日の暴落の底値から反発したが、調整局面はまだ終わっていない可能性があると、ビットフィネックス(Bitfinex)のアナリストらが最新レポートで警告した。
その上で、ビットコインは短期保有者のコストベースである11万3600ドルを上回る水準を維持する必要があり、同水準は「前向きな転換を確認する上で極めて重要だ」とアナリストらは述べた。
「歴史的に、この水準を上回って取引されることは、調整局面から蓄積局面への移行を示してきた」とレポートは述べている。
一方、同水準を維持できなければ、現在の保ち合いレンジの下限と見られる9万7500ドル付近までさらに押し戻されるリスクがあると、アナリストらは付け加えた。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:cdd20, Unsplas
|原文:Bitcoin Sinks Below $113K as Stocks Hit Records; Sell-Off Could Have Room to Run, Says Bitfinex


