- ビットコインと主要トークンはアジア市場で短期的な反発を見せた。マクロ経済環境が好調であったにもかかわらず、BTCの上昇は9万1000ドル付近に留まった。
- XRP現物ETFには多額の資金流入が見られ、グレイスケールのGXRPとフランクリン・テンプルトンのXRPZはローンチ初日に多額の投資を集めた。
- 機関投資家はビットコインへのエクスポージャーを減らしており、これが最近の弱含みの一因となっている。一方、ポジショニングデータは、トレーダーが市場の反転を予想していることを示唆している。
ビットコイン（BTC）と主要トークンは11月27日のアジア取引時間午前中に小幅に上昇した。一部のトレーダーはこれを短期的な反発と見ている。
BTCは9万1000ドル付近で取引され、株式市場の追い風やドル安にもかかわらず、価格変動が小幅な状態が続いている。暗号資産（仮想通貨）市場の時価総額は0.6％上昇し3兆200億ドル（約468兆1000億円、1ドル=155円換算）となったが、先週の大幅下落による損失のほんの一部しか回復していない。
暗号資産がアメリカのリスクセンチメントの延長として取引される状況は変わらない。堅調なウォール街の取引が一時的に暗号資産を押し上げたが、売り圧力が27日の引けにかけて再燃した。これはアメリカ市場の取引時間外に有機的な買い需要がほとんど存在しないことを示しており、CoinDeskが25日に報じた通りだ。
世界的なリスク選好の回復、利回りの低下、流動性条件の改善という好ましいマクロ環境を考慮すると、この弱さは際立っている。
主要トークンでは、イーサリアム（ETH）が3.1％上昇し3030ドル、エックス・アール・ピー（XRP）は0.8％上昇、バイナンスコイン（BNB）は4％上昇した。先週の大幅下落後、資金が大型アルトコインへ流入したためだ。ソラナ（SOL）は3.3％下落、ドージコイン（DOGE）は1.8％上昇したが、主要トークンの大半は週次では下落した。カルダノ（ADA）は7日間で7%下落し、大型株バスケットのパフォーマンスを下回り続けた。
XRP現物ETF（上場投資信託）は引き続き、傑出していた。グレイスケール（Grayscal）のGXRPは発売日に6740万ドル（約104億4700万円）を集め、フランクリン・テンプルトン（Franklin Templeton）のXRPZは6260万ドル（約97億300万円）を追加した。XRP現物ETFの総資産は6億2800万ドル（約973億4000万円）を超え、24時間で8000万近くのトークンを吸収し、今年初めにデビューしたソラナのETFよりも強い初期反応を示した。
現在、アメリカでは4つのXRP現物ETFが稼働しており、カナリー（Canary）のXRPCが3億3100万ドル（約513億500万円）と累積流入額でトップとなっている。
資金流入は引き続き、主な推進要因だ。アンソニー・ポンプリアーノ（Anthony Pompliano）氏は、最近のビットコインの弱さは、機関投資家が年末に向けてエクスポージャーを削減していることを反映しており、構造的な弱気相場ではなく、ボラティリティとボーナスに敏感なリスク管理がリスク回避を促していると述べた。
一方、CryptoQuantは、ビットコインのリスク・リワード・プロファイルは2023年半ば以来最も魅力的であり、これは持続的な投げ売りというよりも、蓄積段階の前兆であることが多いと指摘している。
ポジションデータも同様の傾向を示している。バイナンス（Binance）の主要アカウントにおけるロング・ショート比率は3.8を超え、3年超で最高水準に達した。これはレバレッジ取引が反転相場を期待していることを示唆している。
それでもシティ（Citi）は、10月以降のセンチメントがリセットされる中、BTCが2026年初頭まで8万2000ドルから9万ドルの間で推移すると予想している。
｜翻訳：CoinDesk JAPAN
｜編集：井上俊彦
｜画像：Shutterstock
｜原文：Bitcoin Rebounds Past $91K as XRP ETFs Continue to Grab Attention
