NTTグループもBaaS参入、ブロックチェーンをクラウドで──電子チケット管理ツールなど提供

NTTグループのNTTテクノクロスが2月4日、企業がブロックチェーンを活用した実証実験を支援するサービスを3月に開始すると発表した。

アマゾンのクラウドサービスAWSを用いてBaaS(ブロックチェーン・アズ・ア・サービス)として提供するもので、ブロックチェーン上のデータを可視化するツールや、ブロックチェーンで電子チケットを管理するツールとともに提供する構想。

現在、クラウドを用いたブロックチェーンの活用が盛んになりつつあり、マイクロソフトやIBM、アマゾン、オラクルなどは既にBaaSとして提供。日本でもLINEが2020年にもBaaSを提供するとしている。

ブロックチェーンでチケット利用者の本人照合を可能に

NTTテクノクロスは旧NTTソフトウェアで、情報通信システム・ソフトウェアの研究開発、運用、コンサルティングなどを行っているICT企業。

新サービス「ContractGate PoC Service」では、ブロックチェーン・データを可視化するツール「ContractGate/Monitor(モニター) 」や、ブロックチェーンの耐改ざん性やトレーサビリティを生かして電子チケットを管理するツール「ContractGate/Pass(パス)」がセットで提供される。

たとえば「ブロックチェーンを活用したビジネスの評価を短期に行いたい」「検証時には自社資産を持たずにコストを抑えたい」といった企業に、実証実験を行なう際のプラットフォームとして提供したい考え。発表によると、価格は一式500万円(税別)からで、3月6日に提供開始する。

基盤にはアマゾンのクラウドサービスAWSを使い、ブロックチェーンにはイーサリアムを活用する。

サービス概要図(リリースより)

このサービスを利用することで、ブロックチェーンで管理しているチケット情報をQRコードに変換してスマホで表示したり、チケット利用者本人かどうかの照合を行ったりできるという。

このほかにも、本サービスを活用することで検証できるサービスとして考えられるのが、あらゆる交通手段による移動を情報通信技術を使って統合する「MaaS」における交通チケットや、各種施設チケット、民泊、施設の入退場のゲート管理、宅配ロッカーなどだという。

文:小西雄志
編集:濱田 優
写真:Visual Generation / Shutterstock.com, CoinDesk Japan編集部