ビットコインの記録的ボラティリティ、ガチホ勢は動じず

ビットコインの記録的ボラティリティ、ガチホ勢は動じず


ビットコイン価格のボラティリティは過去最高まで上がった。だが「ホドラー(HODLer)」と呼ばれる長期保有者はくじけていないようだ。

仮想通貨デリバティブ分析企業スキュー(Skew)によると、ビットコインの3カ月インプライド・ボラティリティは3月13日、1日あたり6.8%(年換算130%)と過去最高まで上昇した。

出典:Skew

1週間前は3.5%(年換算66.9%)だった。さらにさかのぼると、ビットコインが1万ドル近くで取引されていた2月23日には、12カ月ぶりの低水準の3.2%(年換算61.2%)とさらに低かった。

ビットコインの値動きの可能性に対するオプション市場の見通しを表すインプライド・ボラティリティの前例のない高さは、最近の急落と関連しているだろう。

ビットコインは2月中旬に1万500ドルを記録し、先週は12カ月ぶりの安値の4000ドル割れまで下落した。わずか4週間で63%の大幅下落だ。

3月12日には1日だけで39%近く下落した。

ガチホ勢は慌てず

多くの観測筋は、価格ボラティリティの極端な動きは、ビットコインが世界的に大規模に普及する妨げになると語った。そうだとしても、長期保有者は落ち着いているようだ。

ビットコイン価格は月初から40%下落しているが、1年以上保有しているアドレス、いわゆる「ガチホ勢」「ホドラー」の数は2月に記録した過去最高の1868万近くを維持している。

ブロックチェーン情報企業IntoTheBlockのデータによると、3月16日時点でビットコインを12カ月以上保有しているアドレスは1821万にのぼった。

出典 : IntoTheBlock

このデータは、ビットコインの投資家コミュニティーは、ビットコインは将来、金融システムに不可欠なものとなり得ると信じているかもしれないことを示している。

「彼らは価格下落を、ビットコインの価値が実用性と価格の双方で、過去にないほど十分に大きくなる過程における単なる減速に過ぎないと考えている」とビットコイントレーダーで、タイタス・インベストメント・アドバイザーズ(Titus Investment Advisers)のジャスティン・ジレスピー(Justin Gillespie)CEOはCoinDeskに語った。

ロンドンのデジタル資産投資企業KR1の共同創業者兼マネージングディレクター、ジョージ・マクドノー(George McDonaugh)氏は、長期保有者はテクノロジーを信じている人たちで、価格のボラティリティに影響を受けないと述べた。

さらに同氏は、ビットコインは依然として多くの人の間で、現在の世界的なマクロ環境に対するヘッジと捉えられているため、長期保有者は今、安価なビットコインを買い増すことができると付け加えた。

長期的視点を持った普通の個人投資家

コロナウイルスの流行によって、アメリカ、イタリアをはじめ、複数の国々は都市全体の封鎖を余儀なくされている。

一方、連邦準備制度理事会(FRB)は、金利のほぼゼロまでの切り下げと、7000億ドル規模の量的緩和政策で対応した。他の国々の主要中央銀行もこの1週間ほどの間に金利を引き下げた。

「銀行が閉まっている時もビットコインは開いている。ATMが閉まっている時、ビットコインはキャッシュです。政府がとてつもない量の紙幣を発行する時、ビットコインの価値を下げることはできない」とマクドノー氏はCoinDeskに語った。

デジタル・アセッツ・データ(Digital Assets Data)のマイク・アルフレッド(Mike Alfred)CEOは同様の見解を繰り返しながらも、ガチホ勢(ホドラー)は、その大半がマクロトレーダーではなく、きわめて長期的な視点を持った普通の個人投資家であることを強調した。

「世界同時的な流動性と、中央銀行や中央当局への信頼の低下の魔法のような組み合わせのなか、ビットコインにとってマクロの背景がこれほど強気であったことは過去にない」とアルフレッド氏はCoinDeskに語った。

だが現在のところ、今回の市場の混乱に間、ビットコインは安全資産としては機能せず、むしろ株式市場と連動して動いた。

3月はじめからのビットコインの40%の下落は、S&P500の17%の下落と同時期に起きた。

半減期に先立った長期保有?

ビットコインは2020年5月、マイニング報酬の半減期を迎える。その名前の通り、マイニングされたブロックごとの報酬は現在の12.5BTCから6.25BTCへと半減される。このプロセスは4年ごとに繰り返され、ビットコインのインフレ抑制が狙いだ。

多くの長期保有者は、ビットコインは半減期後に力強く上昇すると語る。

「ビットコインはまだ底値を見つけていないかもしれないが、半減期による供給量の減少は、最終的に価格を押し上げるだろう」とマイニングファームを運営するZionodesのオルガ・コチマー(Olga Kochmae)CEOは語った。

半減期に関連した強気のストーリーも、長期保有者が最近の価格下落にもかかわらずビットコインを手放さずにいる理由かもしれない。

過去最高の普及需要? ただし注意点あり

1年以上ビットコインを保有しているアドレスの記録的な多さは、普及に対する実際の需要を示しているわけではない。1人が複数アドレスを保有することができるからだ。

「ビットコインアドレスは匿名で、単独のユーザーやウォレットがほぼ無限に近い数のアドレスを作り出すことが可能。単純な例として、ビットコインアドレスをキャッシュと考えてみて欲しい。財布の中に複数の20ドル札を持つことができる。だがそれらはすべて同じ財布、同じユーザーのものだ」とInterlapse TechnologiesのCEOで、コインカーブ(Coincurve)の創業者ウェイン・チェン(Wayne Chen)氏は語った。

翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸
写真:Shutterstock
原文:Record Bitcoin Price Volatility Fails to Unnerve HODLers

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