コロナショックで仮想通貨マイニングに深刻な被害:米証券取引委への提出書類

ライオット・ブロックチェーン(Riot Blockchain)は、COVID-19が同社のビットコインマイニング事業に「深刻な打撃を与える」可能性があると懸念している。

マイニングは「必要不可欠ではない」事業?

ナスダック上場の装置メーカーである同社は、2020年3月25日(現地時間)に米証券取引委員会(SEC)に提出した年次報告書「10-K」の中で、その懸念を明らかにした。常にこうした報告書には、最悪のビジネスシナリオを詳細に記載する「一般的リスク」のセクションが含まれる。ライオットは今年、COVID-19の議論を念頭に、パンデミックに特化した2つのサブセクションを追加した。

ライオット・ブロックチェーンがCOVID-19への対応によって大きな打撃を受けていることを、同セクションは示している。同社スタッフは検疫を受け、自宅隔離に入り、一方のサプライチェーンは国境の制限と工場の閉鎖によって動かなくなっているという。

同社はまた、「必要不可欠ではない事業」という好ましくない分類も受けている。10-Kによれば、ライオットは「これまでに決定を下した法域」のどこにおいても、必要不可欠な事業であるという分類を受けてはいない。それにより、同社のオフィスやマイニング装置へのアクセスを断ち切られる可能性がある。

「マイナーに対して効果的にサービスを提供することができなければ、マイナーがオフラインになるに伴って、我々がビットコインをマイニングする能力は、悪影響を受ける」とライオットは記している。

コロナの長期的影響は予測不可能

ライオットの懸念は、約2カ月前に中国のマイニング企業が直面した問題と同様だ。パンダマイナー(PandaMiner)の最高執行責任者、エイブ・ヤン(Abe Yang)氏は2月初旬、CoinDeskに対して、同社が一部のマイニングファーム運営において困難な状態にあると語った。一部の省の検疫管理によって、機械の修理やハードウェアの運用を行うスタッフが制約を受けたからだ。

現在、米オクラホマ州オクラホマ・シティにあるライオットのファームには、4000台のビットメインS17プロ・アントマイナー(Bitmain S17 Pro Antminer)がある。当時のプレスリリースによれば合計で635万ドル(約6億8600万円)で2019年12月に購入されたものだ。同社の報告書によれば、これらの装置は、現在はオフラインとなっている約8000台のS9モデルと交換で導入されている。

COVID-19による事業への「壊滅的」な影響はライオット・ブロックチェーンに限ったものではない。ほぼすべての企業が、わずか4カ月前には馬鹿げて聞こえたような危機に直面している。

すべてがどこに向かうのかは、まだ分からない。ライオットは、パンデミックの「広範囲に及ぶ性質」によって、長期的影響を予測することはほぼ不可能であることを認めている。しかし、確かなことが1つある。

「即座に解決しなければ、新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的パンデミックの影響は弊社事業に重大な悪影響をもたらす可能性がある」

翻訳:山口晶子
編集:T. Minamoto
写真:Shutterstock
原文:Riot Blockchain Says Coronavirus Outbreak Might Hurt Crypto Mining Farms