三井物産、不動産のデジタル証券で実証実験──3年で1000億円目指す

三井物産とLayerXが共同で設立した三井物産デジタル・アセットマネジメント(MDM)は、7億円規模の不動産をデジタル証券化する実証実験を開始する。今年下半期には事業化し、今後3年でその運用資産を1000億円までに拡大させる。

実験では、投資法人みらいが保有する関西の物流拠点「六甲アイランドDC」の信託受益権の一部を実証ファンドに譲渡する。取得額は7億円を予定し、4月28日に実行する。三井とLayerXが4月21日に発表した。

同ファンドでは、ブロックチェーン上で投資家の持分を管理し、配当額の自動計算や持分の譲渡をできるようにした。MDMとLayerXが全体のコンセプトと、セキュリティ・トークンの発行システムを企画・開発する。運用は三井物産リアルティ・マネジメントが行う。

三井物産、LayerXの実証実験概要
三井物産、LayerXの実証実験概要

4月に設立されたMDMは、月末にもSMBC日興証券と三井住友信託銀行との資本提携を行う計画だ。国内外の不動産やインフラ投資を行う資産運用会社として必要な認可を得て、今年後半から本格的に事業を展開していくとしている。

文:小西雄志
編集:佐藤茂
写真:リリースより