リクルート出資のブロックファイ、仮想通貨の複利型口座開始

仮想通貨を担保とした法定通貨の貸付サービスなどを行う米ブロックファイ(BlockFi)が、複利型の預け入れ口座を始めた。

ニューヨークに本社を置くブロックファイは2019年3月5日、預け入れ口座のBlockFi Interest Account(BIA)を開設できることになったと発表。複利型(一般に、元金で生じた利子を元金に組み入れ、次期の利子が、元金と組み入れられた利子にもつくというもの)で、金利は毎月、仮想通貨で支払われ、年間利回りは6.2%になるという。

ブロックファイのマーケティング・ディレクター、ブラッド・ミケルソン(Brad Michelson)氏は、「仮想通貨の投資家が富を築く上で、複利型口座は金融における力強い味方であると思っています」と、CoinDeskの取材で述べた。

リクルートのファンドが出資

2017年8月に設立されたブロックファイは、仮想通貨を担保にすることで本人確認を含む審査プロセスをシンプルにして、貸し付けまでの時間を短縮。比較的低い利率で法定通貨による貸し付けを実現している。翌2018年には、リクルートが、投資子会社のRSPファンドを通じて、ブロックファイに出資した。

ブロックファイのユーザーは、世界中のどこからでもビットコインまたはイーサを預け入れられ、いつでも引き出すことが可能だ。口座内の資産は、ジェミニ・トラスト(Gemini Trust Co.)によって管理される。ニューヨーク州金融サービス局の規制対象に属すジェミニ・トラストは、同社が管理するデジタル資産を対象とする保険サービスも提供している。

ミケルソン氏によると、従来の銀行の預金口座は、政府の預金保険制度で保護されているが、ブロックファイのBIAには、その制度が適用されない。同社の事業は事業会社への貸し出しも含まれることから、仮にビットコインやイーサの価格が下落しても、口座所有者への利息支払いは十分にできると、ミケルソン氏は話す。

BIAのベータ版(サンプル版)は、2019年初めにリリースされた。現在までに、個人および機関投資家から1000万ドル(約11億円)を超える資産を管理する。

ブロックファイは2018年に、積極的に外部からの資金を調達、事業拡大のペースを速めてきた。7月に5250万ドルの大型ラウンドを行えば、12月には400万ドルの資金をアクナ・キャピタル(Akuna Capital)やギャラクシー・デジタル・ベンチャー(Galaxy Digital Ventures)などから調達している。

翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:浦上早苗
写真:Travis Wolfe, Shutterstock
原文:BlockFi Now Offers a Crypto Deposit Account With Compound Interest