米投資大手ベインが出資する仮想通貨取引所、アジアで拡大へ。シンガポール企業と提携

米国・シカゴに拠点を置く仮想通貨取引所のシードCX(Seed CX)が、アジア市場で事業を拡大する。

シードCXはベンチャーキャピタルのベインキャピタル・ベンチャーズ(Bain Capital Ventures)が出資する、機関投資家にフォーカスした取引所。同ベンチャーキャピタルは、プライベートエクイティ投資大手ベインキャピタルの傘下にある。ベインキャピタルはこれまで日本でも投資活動を行ってきており、すかいらーくや雪国まいたけ、大江戸温泉などへの投資実績がある。

シードCXは2019年3月21日、トレーディング基盤のテクノロジーを開発するシンガポールのハイドラX(Hydra X)と提携したことを発表。今後、シードCXは同社のプラットフォームとハイドラXのトレーディング基盤「シグマ(Sigma)」(現在はベータ版)を統合していく。

実現すると、シードCXのユーザーはシグマのプラットフォーム上で、価格や取引、投資ポートフォリオをモニターすることができるようになる。また、法定通貨と仮想通貨を接続するゲートウェイへのアクセスも可能になるという。

ハイドラX・CEO(最高経営責任者)のダリル・ロウ氏は、「今回の提携は、我々のユーザーベースを広げ、特にデジタル資産へのアクセスを求める機関トレーダーを顧客として増やすことができるだろう」と述べる。

仮想通貨デリバティブ商品の市場投入

また、シードCXは子会社のシードSEF(Seed SEF)を通じて、米商品先物取引委員会(CFTC)が規制する仮想通貨のデリバティブ商品を市場に投入する計画だ。

シードCXは2018年9月に、1500万ドル(約16億5000万円)の資金を調達している。シリーズBの調達ラウンドは、ベインキャピタル・ベンチャーズが主導した。この時の調達でシードCXの調達額は累計で2500万ドルとなった。

同社は1月、機関投資家・トレーダー向けのビットコインのスポット取引サービス(マーケット)を始めている。また、シードCXの別の子会社であるゼロハッシュ(Zero Hash)は、顧客企業のセキュリティと透明性のニーズに応じて、事業者向けのウォレットサービスを提供している。

シードCXは利益相反を防止するため、同社社員による仮想通貨取引を禁じるルールを設けている。

翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:佐藤茂
写真:Singapore image via Shutterstock 
原文:Bain-Backed Crypto Exchange Seed CX Is Expanding to Asia