マネックス、クリプト事業利益が7倍:第2四半期決算

マネックスグループは27日に7月~9月期の決算報告を開示し、暗号資産(仮想通貨)事業の営業利益が7倍になったと発表した。マネックスが2018年に暗号資産取引所のコインチェックを買収して以来、同事業における最高益を記録した。

決算資料によると、コインチェックの事業で構成されるクリプトアセット事業の営業利益は7億1400万円(同7月~9月期)。前年同期には約400万円の営業損失を計上したが、大幅に改善した。ビットコイン(BTC)価格の上昇と、ビットコイン以外の暗号資産であるアルトコインの取引量の増加がけん引した。

同クリプトアセット事業の営業損失は昨年10月~12月期(第3四半期)に、1億200万円に膨らんだが、今年1月~3月期には黒字に転換。新型コロナウイルスの世界的感染が影響し、ビットコインを中心とする暗号資産の価格は3月以降、大幅に上昇。国内市場でも暗号資産を新たに購入しようとする個人ユーザーが増加した。

マネックスの連結営業収益(4月~9月)は前年同期比12.6%増の293億円。税引き前利益は89%増え、41億5200万円だった。

コインチェックは2018年1月、580億円相当のNEM(暗号資産)が流出する事件を起こし、同年4月にマネックスからの買収提案を受け入れた。マネックスはコインチェックの発行済み株式すべてを約36億円で買い取り、完全子会社した。

編集:佐藤茂
写真:Shutterstock