ジャスティン・ビーバーもアバターでバーチャル交流 ──ブロックチェーンをどう使う

クリプトキティーズ(CryptoKitties)やNBAトップ・ショット(NBA Top Shot)を開発したダッパー・ラボ(Dapper Labs)とのコラボレーションは、3Dアバターを展開するジーニーズ(Genies)にとって、Z世代にブロックチェーンを紹介する手段だ。

「ダッパー・ラボは、若い世代のユーザーの認知度を上げるためには最適」とジーニーズの創業者、アカシュ・ニガム(Akash Nigam)氏は話す。

ジャスティン・ビーバーのアバター

ジーニーズは、人気スターとファンの距離をより近づけることができるアバター企業として、その地位を確立している。

ニガム氏によると、新型コロナウイルス感染拡大によって、インフルエンサーとファンがバーチャルに交流する機会が増えているという。中止になったコンサート、スポーツイベントなどの代わりと考えるとわかりやすい。

例えば、人気歌手のジャスティン・ビーバーは自身のアバターを使って限定シングルをツイッターで発表している。

ダッパー・ラボが開発したブロックチェーン「フロー(Flow)」でアバターを作成すると、例えば、ジャスティン・ビーバーは、クリスマス限定シングルの発表に合わせて、サイン入りのサンタ帽を限定数で発行できる。

ニガム氏によると、フローで作られたアバターは、ノン・ファンジブル・トークン(NFT)で、トークン1つ1つがすべて唯一無二のものとなり、ユーザー間で売買したり、取引することができる。

「ジャスティン・ビーバーはすでに、ファンに限定グッズを販売している。我々は、彼らがすでに実世界で行っていることをデジタルの世界に持ち込んでいるだけ」(ニガム氏)

デジタル・アイデンティティ

ダッパー・ラボのロハム・ガレゴズロウ(Roham Gharegozlou)CEOは、ユーザーがデジタルの所有権を理解するためにブロックチェーンの技術を知る必要はないと述べる。

ジーニーズはすでにアメリカのオンラインデータベースのジフィー(GIPHY)向けに同様のサービスを提供している。デジタルグッズやユーザーをブロックチェーンに移行させる仕組みの開発を進めている。人気スターだけではなく、個人が自身のアバターを作り、オンライン上で唯一無二の人格を持つことができる世界だ。

「今はユーザーネームをカスタマイズできるようにしている。将来的には、自身のデジタル・アイデンティティをカスタマイズできるようにしたい」とガレゴズロウCEOは述べた。

翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:ジフィーでの展開イメージ(ジーニーズ)
原文:CryptoGenies? Digital Avatars Are Coming to Dapper’s Flow Blockchain