改正金商法施行ほか2020年の暗号資産・ブロックチェーンニュース【国内編・振り返り】

経済もコロナ禍の影響を強く受けた2020年。国内の暗号資産(仮想通貨)は、日銀による中央銀行デジタル通貨(CBDC)やビットコイン最高値更新など、追い風を受ける話題が多く見られた。2020年に日本国内で話題になった暗号資産ニュースを振り返ってみよう。

1月30日──課金はETH、日本発ブロックチェーンゲーム「ブレイブ フロンティア ヒーローズ」リリース

ブロックチェーンゲーム「My Crypto Heroes」とスマホRPGゲーム「ブレイブ フロンティア」が融合した「ブレイブ フロンティア ヒーローズ」がリリースされた。イーサリアムのブロックチェーン上に展開されるDappsの一種で、ゲーム内課金はETHで行うことで注目を集めた。

3月11日──「コインチェック事件」で初の逮捕者

2018年1月、暗号資産交換業者「コインチェック」から約580億円分の暗号資産が流出した事件で、流出した暗号資産だと知りながら別の暗号資産と交換を行ったとして、組織犯罪処罰法違反(犯罪収益収受)容疑で、医師と会社役員の2人が逮捕された。
コインチェックの資産流出に直接関わったハッカーについては、まだ捜査中だ。

3月17日──暗号資産古物商が開始、認可交換業者以外も参入可能

暗号資産とモノの取引市場を提供する日本暗号資産市場が、古物商許可および古物市場主許可を取得し、市場開設のために参加古物商の募集を開始した。

暗号資産古物営業は、古物営業法により暗号資産交換業者以外の個人・法人が参入できる。不用品を複数の暗号資産で売買でき、モノと暗号資産双方の流動性向上が期待されている。

5月1日──改正金商法など施行、仮想通貨から「暗号資産」へ ST明確化

改正資金決済法と改正金融商品取引法が施行され、仮想通貨から「暗号資産」へと呼称が正式に変更された。暗号資産が金商法上の「金融商品」とみなされ、デリバティブ取引を行う際にはこれまでの暗号資産交換業者の登録だけでなく、第一種金融商品取引業者の登録が必要になるなど、厳しい規制がかけられた。

同時に「電子記録移転権利」が創設され、セキュリティトークンの範囲が明確化されたため、セキュリティトークン、デジタル証券発行に関わるビジネスが立ち上がり、活発になると予想されている。

また、2021年5月1日よりデリバティブ取引(証拠金取引)のレバレッジを現行の4倍から2倍に引き下げることも決定した。各取引所は4月末までに変更を行う予定だ。

5月1日──東京地裁判決「ハードフォークで生じた新たな仮想通貨への付与義務はない」

暗号資産のハードフォークによって生じた新しい暗号資産は、取引所を利用するユーザーに付与する義務はないとの判決が東京地裁により下された。(『金融・商事判例』=経済法令研究会=5月1日号による)。

本件では、顧客と取引所による暗号資産管理契約の当事者間において、ハードフォーク後の新コインを移転(付与)させることを明示または黙示に合意したものとは言えず、新たなコインを付与することを利用規約に記載していないことや、交換業登録取り消しの恐れがあることなどが理由として挙げられた。

5月1日──海外取引所BitMEXが日本から撤退

改正資金決済法と改正金融商品取引法が施行された影響により、海外取引所のBitMEX(ビットメックス)が日本ユーザーのアクセス制限を行うことを発表した。新たな取引の発注ができず、規制がかけられた形だ。

8月6日──BITMAXが独自通貨「LINK」の国内取扱い開始

LINEのグループ会社、LVCが展開する暗号資産取引所BITMAXで、同社が発行する独自通貨「LINK(リンク)」の取扱いを開始した。LINKは海外取引所BITBOXですでに売買が行われているが、国内でも「LINE Blockchainエコシステム」を構築し、ユーザーとサービスをつなぐインセンティブとして還元する目的で使われる予定という。

8月25日──コインチェックがIEO共同プロジェクトを発足、2021年に発行・上場へ

暗号資産交換業者のコインチェックと、マンガアプリ運営のLink-Uおよびブロックチェーン関連会社HashPortの合弁会社Hashpaletteが、日本初のIEOの実現に向けた共同プロジェクトを発足した。2021年3月までに、マンガや音楽などのコンテンツで利用できる「パレットトークン」を発行し、コインチェックに上場する予定。

10月2日──JBA加納代表理事が平井デジタル相へ「ブロックチェーンを国家戦略に」直接要望

日本ブロックチェーン協会(JBA)代表理事の加納裕三氏が、平井卓也デジタル改革担当大臣を訪問、「ブロックチェーンを国家戦略に」のテーマのもと、ブロックチェーン特区の創設・CBDCの試験導入・行政システムのブロックチェーン化の提言を行った。

10月9日──日銀が2021年にCBDC検証へ、パイロット調査の検討も

日本銀行が、各国の中銀が取り組んでいる「中央銀行デジタル通貨(CBDC)」について、2021年度に第1段階の実証実験を行うと発表した。民間事業者、個人が実際の支払いに利用できるかを試すパイロット試験の検討もしているという。

11月1日──フィスコが「Zaif」へ商号変更、フィスコ取引所閉鎖

フィスコ仮想通貨取引所が「株式会社Zaif」へ商号を変更した。フィスコは8月31日でZaifの前身となるフィスコ取引所を閉鎖していた。

12月17日──ビットコインが3年ぶりに最高値を更新

ビットコインが過去最高額の2万374ドルまで値を上げ、最高値を更新した。
12月1日に1万9920ドルに達し、2017年12月17日に記録したこれまでの最高値、1万9783ドルを更新したばかりだった。

2020年、新たな規制施行もビットコインの最高値更新など期待高まる動きも

2020年は新たな規制が施行され、仮想通貨が「暗号資産」へと呼称変更されたことが一般ユーザーにもインパクトを与えた。あらゆるアセット(資産)をデジタル化できるセキュリティトークンについても明確になり、今後のビジネス展開への期待が高まった。

2021年は法改正により、取引のレバレッジが現在の4倍から2倍へ引き下げられることが決定している。既に織り込み済みとはいえ、長期でみれば暗号資産取引所はいかにビジネスをするかが大きな課題になる。しかし、日銀によるCBDC検証や国内でもIEOが予定されるなど、ポジティブなニュースもある。果たして2021年はどんな年になるのだろうか──。

文:CoinDesk Japan編輯部
編集:濱田 優
画像:Shutterstock.com