トランプ大統領、元リップル役員に恩赦──スノーデン、アサンジは含まれず

トランプ大統領は、元リップルの役員で暗号資産メディア「Modern Consensus」を共同創業したケン・カーソン(Ken Kurson)を恩赦した。

トランプ大統領は任期終了まで12時間を切った20日午前、73人に恩赦を与え、70人の減刑を行った。

先月、恩赦が考慮されていると伝えられた、闇サイト「シルクロード」創設者のロス・ウルブリヒト(Ross Ulbricht)と、ビットコインの普及にも貢献したウィキリークスのジュリアン・アサンジ(Julian Assange)、アメリカの監視プログラムの詳細をウィキリークスに公開したエドワード・スノーデン(Edward Snowden)には恩赦や減刑は与えられなかった。

ほかに恩赦されたのは、昨年詐欺罪で逮捕されたトランプ大統領の元側近のスティーブ・バノン(Steve Bannon)と、銃の不法所持で実刑判決を受けたラッパーのリル・ウェイン(Lil Wayne)、同じく銃に関する容疑で3年の実刑を受けているコダック・ブラック(Kodak Black)などだ。

トランプ大統領の義理の息子の友人

カーソンは昨年10月、元妻へのサイバーストーカー容疑で逮捕された。捜査の結果、脅迫メッセージの送信と、盗聴ソフトのインストールなどの容疑が浮上したと当時、ニューヨーク・タイムズは報じた。

20日の恩赦通知には「検察官への書簡に、カーソンの元妻は同氏に代わって、この捜査や逮捕を決して望んでいないと書いた。そして『何度もFBIに中止を求めた。(中略)弁護士を雇って、また別の尋問を強要されないようにした。逮捕とその後の記事に対する私の嫌悪感は底知れない』と訴えた」と書かれていた。

恩赦通知は、カーソンを「コミュニティのリーダー」と呼んで称賛している。同氏は、トランプ大統領の義理の息子、ジャレッド・クシュナー大統領顧問の友人だ。

恩赦や減刑にシルクロードのウルブリヒトが含まれていないことは、同氏の恩赦を何年にもわたって求めてきた暗号資産業界の多くの人を失望させただろう。トーマス・マッシー(Thomas Massie)下院議員は、スノーデンとともにウルブリヒトの恩赦を強く求めてきた。

トランプ大統領は、ジョー・バイデン次期大統領の就任式が行われる20日正午(米東部時間=日本時間21日2時)に退任する。大統領はその時まで恩赦を続けることができる。

※一部、敬称略

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:Shutterstock
|原文:Trump Pardons Ripple Board Member Ken Kurson; Ulbricht, Snowden Not on List