NTTデータがBlockTrace事業を開始──証券・アート・不動産をトークン化

ブロックチェーンの研究開発チームを作り、2017年からその取り組みを強化してきたNTTデータが、同技術を活用した統合型サービス「BlockTrace」を開始する。

ユーザーのニーズに合わせて、証券や不動産、アート作品などをデジタルトークン化して新たな市場を創設したり、生鮮食品や医薬品などの位置情報や温度管理情報をブロックチェーン上で可視化することができる。

NTTデータは16日、これまで開発を進めてきたBlockTraceの詳細を発表。例えば、証券や不動産の所有権、絵画や骨董審などのアート作品を、デジタル証券化(セキュリティトークン)すれば、小口化でき多くの個人が取引できる市場を創ることができる。NTTデータはこのサービスにおいて、セキュリティトークンの発行・流通技術を開発する米セキュリタイズ(Securitize)と共同で展開していく。

消費者が手にする商品の情報に対するニーズが世界的に高まるなか、NTTデータはこの領域でもBlockTraceの利用拡大が期待する。発表では、NTTデータは、低温で輸送される必要のある商品にフォーカスを当てたユースケースを強調している。

輸送中の位置情報や、温度管理の状況をブロックチェーン上に記録することで、生鮮食品の品質状態を常時モニターできるようになる。また、ワクチンなどの医薬品や化学品などの温度管理輸送にも応用することができる。

また、サプライチェーンのDX化は、NTTデータが想定するBlockTraceのユースケースの1つに据えるエリアでもある。

あらゆる業界におけるサプライチェーンのデジタル化は、急ピッチで進められている。製品の原料や部品の調達から製造、配送、販売、消費までの流れをデータ化して、ブロックチェーン上に記録すれば、トレーサビリティ性は向上し、モノの流れにおけるコストと時間を大幅に削減することが可能だ。

|文・編集:佐藤茂
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