NEM財団、「カタパルト」のリリースに向けて開発スタジオ設立

ブロックチェーンプロジェクトNEMは、年内に予定されている、NEMプロトコルの大規模アップグレードを支援するために、NEMスタジオ(NEM Studios)を立ち上げることを発表した。

プレスリリースによると、NEMベンチャーズ(NEM Ventures)の非営利持ち株会社NEMホールディングス(NEM Holdings)とNEM財団(NEM Foundation)は、プロトコルのアップグレード「カタパルト(Catapult)」の戦略およびバックエンド開発を支援するために、NEMスタジオを合同で設立する。

カタパルトは、企業に「高速、調整可能、かつスケーラブルな(拡張性のある)ブロックチェーンソリューション」を提供するとプレスリリースには記されている。

NEMスタジオの開発活動はNEMコア(NEM Core)の出資で賄われる予定。NEMスタジオは、現在、最高技術責任者(CTO)とカタパルト・コアのプロトコルとAPIレイヤーの開発を支援するための開発チームを募集している。NEMスタジオをディレクターとして率いるのは、NEMホールディングスの会長兼受託者、NEMベンチャーズ投資委員会委員長、そしてカタパルトプロジェクトのアドバイザーでもあるデイビッド・ショー(David Shaw)氏。

デイビッド・ショー氏、NEM財団の代表であるアレクサンドラ・ティンズマン(Alexandra Tinsman)氏、NEMプロジェクト管理委員会のネイト・ダミーコ(Nate D’Amico)氏で構成される運営委員会がカタパルトの市場開拓(GTM)戦略を率いる予定。

ショー氏は以下のように語った。

「カタパルトの年内ローンチ、およびその後の開発を支援するための専門チームを創設できて、喜ばしいです。我々は、テック経験の豊富な業界一の人材を集めるつもりです。より効果的で、拡張性のあるエコシステムを生み出し、コミュニティーに提供することを楽しみにしています」

カタパルトは、NEMのコアコードとなり、プライベート、およびパブリックブロックチェーンのどちらにも対応する予定。プレスリリースによると、カタパルトにはスマートコントラクト用プラグインも含まれ、デジタル資産の作成、分散型スワップ、高度なアカウントシステム、ビジネスロジックのモデリングなどさまざまな機能が提供される。

NEM財団は、最近、財政難により大規模なスタッフ削減を強いられている。ティンズマン氏は、同財団がコンサルタントやフルタイム従業員などを1カ月で約100人レイオフしなければならなかったことを今年3月に認めている。

また、NEM財団は運営を継続するために、準備金から約800万ドル相当の仮想通貨ネム(XEM)を段階的に調達することをNEMコミュニティーに要請し、承認を得ている。XEMは、NEMブロックチェーンのネイティブトークン。

翻訳:Yuta Machida
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:NEM conference booth image courtesy of NEM Foundation
原文:NEM Launches Development Studio Ahead of Major Blockchain Upgrade