アニモカブランズ、日本進出──Web3でNFT、トークン発行の支援を開始

NFT(ノンファンジブル・トークン)ゲームの開発を手がけ、NFTやメタバースプロジェクトに積極的に投資しているアニモカブランズ(Animoca Brands)が、日本進出と約11億円の資金調達を明らかにした。同社が2月15日に発表した。

NFT(ノン・ファンジブル・トークン=非代替性トークン):ブロックチェーン上で発行される代替不可能なデジタルトークンで、アートやイラスト、写真、アニメ、ゲーム、動画などのコンテンツの固有性を証明することができる。NFTを利用した事業は世界的に拡大している。

香港を拠点とするAnimoca Brands Corporation Limitedの戦略的子会社として、2021年10月にAnimoca Brands株式会社を日本に設立。2022年1月にシードラウンドで約11億円の資金調達を完了したという。

日本では今後、大手出版社やスポーツ競技団体、ゲーム会社といった日本の知財やコンテンツ(IP)ホルダーと連携して、グローバルでのファン獲得を支援する。ブロックチェーン技術を活用したプラットフォームを構築し、IPホルダーがWeb3.0のエコシステムで自らNFTやトークンを発行できる仕組みを提供する。

Web3:Web3.0とも呼ばれ、ブロックチェーンなどのピアツーピア技術に基づく新しいインターネット構想で、Web2.0におけるデータの独占や改ざんの問題を解決する可能性があるとして注目されている。

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MCPアセット・マネジメントが組成した IPX1号ファンドなどから資金調達した。同ファンドには、講談社や三井住友信託銀行、西日本鉄道が参画している。

アニモカブランズの主な投資先としては、Axie Infinity(アクシー・インフィニティ)やThe Sandbox(ザ・サンドボックス)といったゲームに加え、スポーツNFTであるNBA Top Shot(NBA トップショット)などが挙げられる。さらに、NFTの取引量で世界最大規模を誇るマーケットプレイスのOpenSea(オープンシー)にも出資している。

投資ポートフォリオ(アニモカブランズ提供)

共同創設者のヤット・シウ氏は「講談社などグローバルにおけるジャパンカルチャーに影響力のある世界的な企業から出資を受けられることを大変光栄に思っている」としている。

日本法人の代表を務める谷元樹氏は「世界各地に 150 社以上のポートフォリオを有する世界一多様なコミュニティ群を形成している。関連サービスの利用者は1 億人を超え、『アニモカエコシステム』と呼ばれるWeb3.0の開かれた、共有・共感する世界を広げている。開かれたWeb3.0の世界へ、日本の IP・知財ホルダー・アスリートの皆様を全力で支援したい」と意気込む。

|取材・テキスト:菊池友信
|編集:佐藤茂
|トップ画像:Animoca Brandsの発表文より