「The Merge」はスケーリング問題を解決しない、メタバースの10年を予測【週末に読みたいコラム9本】

週末に読みたいコラムやインタビュー記事をピックアップ。

メタバースの10年を予測:メタバースの“ゴッドマザー”が告白

化粧品ブランド「クリニーク(Clinique)」の経営陣は、頭を悩ませていた。「メタバースに進出」したかったが、悪趣味になるのは避けたかったのだ。そこで、キャシー・ハックル(Cathy Hackl)氏に電話した。「メタバースのゴッドマザー」と呼ばれる人物だ。…続きを読む

イーサリアム開発の暴露本『The Cryptopians』は、クリプト界の教科書か

先月発売された『The Cryptopians』は、イーサリアムの開発・立ち上げに伴う舞台裏での確執を暴露して、話題となった。しかし、暗号資産(仮想通貨)についての報道やポッドキャストに長年携わってきたローラ・シン(Laura Shin)氏による同書は、内輪のもめごとの暴露以上に、多くの有益な情報をもたらしてくれる。

これまでにジャーナリストが書いた暗号資産に関する本の中では、最高の出来かもしれない。…続きを読む

イーサリアム「The Merge」はスケーリング問題を解決しない──注目されるレイヤー2の役割

イーサリアムブロックチェーンは4月12日、メインネットで初の「シャドーフォーク」、つまり、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)への移行に向けたストレステストを実施し、PoS移行のための大規模アップデート「The Merge」に一歩近づいた。

The Mergeは当初予定されていた6月ではなく、「数カ月後」になるようだが、PoS移行への期待は高まっている。だが、イーサリアムブロックチェーンが抱える問題が、The Mergeですぐに解決されるわけではない。…続きを読む

トークン銀行の勃興、SWIFTの終わり──米JPモルガンの開発現場

欧米、日本、シンガポールなどの大手銀行と、ボーダーレスに事業展開を進める新興のフィンテック企業が互いに既存の金融基盤をディスラプトしようとするなか、1970年代から世界で利用されてきた送金ネットワーク「SWIFT」の持続性に焦点が集まっている。

一方、次世代テクノロジーの開発現場では、世界のビッグテックからゲームメーカー、スタートアップ、ファッションブランド、テレビ局までが、メタバース(仮想空間)を新たな経済活動の場として事業を創出する動きが活発化している。

未来を大きく変えるこの2つの大きなうねりの中に、米国最大の銀行、JPモルガン・チェースの存在がある。

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暗号資産が広がる前に世界が必要とするスマホアプリ

銀行のサービスを十分に受けられていない(アンダーバンクト:underbanked)コミュニティにとって、暗号資産(仮想通貨)はそれに似たようなサービスへのアクセスを可能にすると、多くの人は信じている。

モバイルテクノロジーの国際的な業界団体GSMAによると、世界人口の約70%に当たる50億人が現在、携帯電話を所有しており、その多くは、銀行サービスへのアクセスが皆無、あるいはほとんどないエリアに暮らしている。…続きを読む

暗号資産規制に動く欧米議員、そびえる世界の壁

暗号資産(仮想通貨)の存在は、アメリカとヨーロッパの政治家の活動をより多忙なものにしている。

彼らは本当であれば、協力すべきなのだ。さらに言えば、世界中の政治家たちと連携するべきだ。国境をほとんど気にも留めないテクノロジーに対処する場合には、一段とボーダーレスなアプローチが必要とされる。…続きを読む

史上最悪のハッキングからP2Eゲーム業界をどう立て直す?

封建時代の日本において、浪人という言葉は、主人を持たない侍のことを意味した。主人の死、あるいはその身分を失ったためにひとりになった浪人は、さまよえる戦士であり、忠義という制約から自由になって好きに放浪していた。

これが、ブロックチェーンRoninの名前の由来だ。ベトナムのゲーム開発会社スカイ・メイビス(Sky Mavis)が開発、保有するRoninは、…続きを読む

ウクライナ戦争で高まる反グローバル化の波、ビットコイン相場はどう動く

ロシア・ウクライナ戦争によって、「ディグローバリゼーション(反グローバル化)」というコンセプトが、経済や地政学に関する議論の中に入り込んできた。暗号資産(仮想通貨)アナリストたちは、このトレンドが究極的には、ビットコイン(BTC)市場にも大きな影響をもたらすかもしれないとみている。…続きを読む

暗号資産は金利上昇の荒波に沈むか?

アメリカ経済全体で、金利がじわじわと上がり始めている。高騰し始めているところもある。

金利はもちろん、ローンを借りる人たちに影響を与えるが、比較的安全な資産も含め、貸し手にとってはリターンが高まることも意味する。そのような資本をめぐる競争が、他の要因とも相まって、すでにテック系のグロース株を含めた投機資産に苦境をもたらしている。…続きを読む

|文・編集:coindesk JAPAN編集部
|画像:ヴィタリック・ブテリン氏(CoinDesk)