ビットコインは2万5000ドル台、イーサリアムは1300ドル台まで下落

ビットコイン(BTC)をはじめとする暗号資産は週末、大きく下落。10日に発表された5月の米消費者物価指数(CPI)が前年同月比8.6%上昇となり、40年以上ぶりの記録的な水準となったことで、市場センチメントは冷え込んだようだ。

ビットコインは当記事執筆時点、10日午後から8%以上下落し、2万6700ドル付近となっている。日本時間13日11時40分頃にはさらに下落し、2万6000ドルを割った。ビットコインはこの1カ月、3万ドル前後で推移していた。

アルトコインはさらに大きく下落し、イーサリアム(ETH)は14カ月以上ぶりの低水準の1450ドル付近(同じく、日本時間13日11時40分頃には1400ドルを割った)。イーサリアムはこの1カ月、1800ドル付近で推移していた。アバランチ(AVAX)とアクシー・インフィニティ(AXS)は10日から20%以上下落。市場の急落は、投資家のリスクへの警戒感を浮き彫りにしている。

「アルトコインは弱気相場ではビットコインを下回る。現在、今後の規制の可能性などのプレッシャーが加わっている。こうした市場状況をリアルにサバイバルできるアルトコインは少なく、さらに最高値を更新できるようなものはほとんどない」と暗号資産運用会社BitBullのCEO、ジョー・ディパスカール(Joe DiPasquale)氏はコメントした。

投資家は、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ抑制のために今週末に金利を0.5%引き上げると予想している。先週、オーストラリアとカナダの中央銀行は金利を0.5%引き上げ、欧州中央銀行(ECB)は緩和政策を終了し、夏以降に利上げを開始すると発表した。

過去1年、株式市場との高い相関関係を示してきた暗号資産にとって、今後の先行きは不透明とディパスカール氏は述べた。

「先週、我々はビットコインは反発の兆しを見せたが、下落の可能性が大きくなっていると述べた。下落は現在進行中で、市場センチメントを見極めながら、新たな安値の可能性とそれに対する反応を見ていくことになる。インフレの数値は間違いなく、市場にとって良い兆候ではない」

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:First Mover Asia: Bitcoin Tumbles Below $27K Amid Heightening Inflation Concerns