マスターカード、エンゲージプログラムを暗号資産にフォーカス

クレジットカード会社のマスターカード(Mastercard)は、暗号資産(仮想通貨)カードプログラムの市場投入を支援するため、潜在的なカード発行者と適切な技術的専門知識を提供できるパートナーを結びつけるエンゲージプログラムを拡張し、増加する暗号資産企業の集団がクレジットカード大手のグローバルネットワークを活用できるようにすると発表した。

発表によると「Mastercard Engage」は、暗号資産カードを市場に投入するまでの時間を短縮し、暗号資産から法定通貨に変換する機能を実現する。つまり、カードを発行している企業や、暗号資産カードの発行を検討しているBIN(銀行識別番号)スポンサー企業を特定し、パートナーシップを構築するためのものだ。

世界中に3万人近いスタッフを擁し、57年の歴史を持つマスターカードによるこの取り組みは、伝統的な金融会社によるデジタル資産分野への最近の進出とうまくタイミングをあわせており、業界における他の取り組みを強化していると言えるだろう。先月には同社も、傘下のブロックチェーン分析会社サイファートレース(CipherTrace)の技術を利用して、クロスボーダー取引のマネーロンダリング防止(AML)チェックを実施する暗号認証プログラムを発表している。

ブロックチェーン・デジタル資産プロダクト担当エグゼクティブ・バイスプレジデントのラジャ・ダモダラン(Raj Dhamodharan)氏は声明の中で、「Mastercard Engageのネットワーク拡大により、暗号資産エコシステム内だけでなく、さまざまなプレーヤーがマスターカードブランドの安全性とセキュリティに支えられながら、スケールの大きな野望を実現できるようになる」と述べている。

マスターカードはまた、Mastercard Engageプログラムに参加する暗号資産決済企業も発表した。参加企業は以下の通り: Baanx、Credencial Payments、Episode 6、Immersve、Monavate、Moorwand、PayCaddy、Paymentology、Pomelo、Swap、Unlimit。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:マスターカードのラジャ・ダモダラン氏(Shutterstock/CoinDesk)
|原文:Mastercard Focuses Its ‘Engage’ Program on Crypto