ビットコインの上昇は一時停止──Greed & Fear指数が90%超

ビットコイン(BTC)は6月15日から20%以上の価格上昇を記録した。この高揚した上昇相場は今、お決まりのように一息つくかもしれない。

これは、暗号資産(仮想通貨)サービスプロバイダー、MatrixportのビットコインGreed&Fear指数(GFI)からのメッセージだ。

この指数は、90%以上の数値が貪欲または過剰な楽観主義を、10%以下の数値が極端な恐怖または悲観主義を示す、市場のセンチメントを追跡しようとするものだ。

「我々のビットコインGreed&Fear指数は、記録的な速さで高揚レベルにまで達した。短期トレーダーは利益を確定することをお勧めする」とMatrixportのリサーチ・戦略責任者マーカス・ティーレン(Markus Thielen)氏は電子メールで述べた。

GFIの21日SMAは、現在の高揚感が薄れた後も上昇する余地があることを示している。(Matrixport)

歴史的に、90%以上の数値はビットコイン価格の中間的な頂点と一致し、10%以下の数値はそれ以降の価格の上昇を予兆してきた。

同指数の21日単純移動平均(SMA)は90%に程遠く、これはビットコインの抵抗が最も少ない経路が依然として高値の側にあることを意味する。

「21日移動平均線(黒線)がまだ上昇しているという事実は、ビットコイン価格が、現在の高揚したモメンタムの段階が、幾つかの統合によって一段落した後、さらに上昇する可能性があることを示唆している」とティーレン氏は付け加えた。

チャートアナリストの中には、3万5000ドル以上への上昇の可能性を示唆する者もいる。

「BTC価格はスローバックエリアで跳ね返され、下落ウェッジのセットアップを完了した。以前の逆ヘッド&ショルダーのターゲットゾーンと新しいフォールディングウェッジのターゲットゾーンの両方がある。さらに、3万8000ドル付近にはオーバーヘッド・ピボットの抵抗線がある」とマーケットアナリストのジョシュ・オルシェビッチ(Josh Olszewicz)氏は米CoinDeskに語った。

「そのため、ビットコインは激しい抵抗と再調整を経た後、3万ドル台半ばに向けた動きを試みると予想している」とオルシェビッチ氏は付け加えた。

(Matrixport)

ビットコインは、4月中旬の高値3万1000ドルから、6月上旬のかつてのレジスタンスからサポートに転じた2万5200ドルへのプルバックは、「スローバック」を表している。このパターンは、ここ数日のように、しばしば価格の上昇を加速させる。

米CoinDeskのデータによると、ビットコインは記事執筆時点で3万65ドルで取引されていた。

時価総額第2位の暗号資産、イーサリアム(ETH)は6月15日から15.9%上昇し、ビットコインに大きな差をつけられて下回っている。イーサリアムのGFI指数はまだ90%に達しておらず、ビットコインが一息ついている間に上昇を続ける可能性がある。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Matrixport
|原文:Matrixport’s Bitcoin Greed & Fear Index Surpasses 90%, Suggests Bull Breather Ahead