暗号資産レストランアプリBlackbird、A16z主導で2400万ドルの資金を調達

暗号資産(仮想通貨)を利用したアプリを通じてレストランと顧客を結び付けることを狙ったアプリ・ロイヤルティプログラムのBlackbird Labsは4日、ベンチャーキャピタル大手のアンドリーセン・ホロウィッツ(Andreessen Horowitz/a16z)が主導するシリーズAラウンドで2400万ドル(約36億円、1ドル150円換算)を調達したと発表した。

米暗号資産取引大手のコインベース(Coinbase)のレイヤー2ブロックチェーンであるBase上に構築されたBlackbirdを通じて、顧客は自分のスマートフォンを近距離無線通信(NFC)リーダー(スマートフォンを決済リーダーに接続できるようにするデバイス)に通し、NFTの会員資格を取得する。その後、ユーザーがレストランに「タップイン」すると、NFTが発行される。

プレスリリースによると、Blackbirdの会員になると、報酬や、メニュー外の料理やSMSコンシェルジュなどの会員特典が利用できるという。

ブロックチェーンのインフラと分散型の考え方

このプロジェクトは、レストランネットワークResyの共同創設者であるベン・レーベンサール(Ben Leventhal)氏がCEOであることが一因で、一般の注目も集めている。ニューヨーク・タイムズ紙は今週、「暗号資産」という言葉に触れずにBlackbirdに関する特集を掲載した。

しかし、Blackbirdのバックボーンにはブロックチェーンベースのインフラと分散型の考え方がある。食事をしたユーザーはFLYトークンを獲得することもでき、BlackbirdのWebサイトには仕組みの一部を説明する「Flypaper」へのリンクがある。

Flypaperでは、「Blackbirdは、特にホスピタリティ業界向けに構築された初の分散型プラットフォームになる」、「獲得したポイントを孤立させてロックする従来の報酬マーケットプレイスとは異なり、Blackbirdプロトコルにより最終的には、ユーザーがパブリックブロックチェーン上のどこでも獲得したポイントを取得できるようになる」と説明されている。

BlackbirdはPrivyと提携しているため、ユーザーは参加する前に暗号資産ウォレットを用意する必要がない。電話番号でサインインするだけで、自動的に非カストディ型のウォレットにアクセスすることができる。

約80のレストランと契約

Blackbirdは数カ月前にローンチし、ニューヨーク市内の約80のレストランと契約を結んだ。

a16z cryptoのジェネラルパートナーであるアリアナ・シンプソン(Arianna Simpson)氏は、「Web3によって、レストランと顧客がつながる強力かつ新しい方法が可能になり、それぞれの食事体験がユニークでより有意義なものになる」と述べた。

今回のローンチは、多くの企業がNFTを介した報酬ベースのシステムを試みているものの、一貫した利用を維持するのに苦戦している中で行われた。

|翻訳・編集:林理南
|画像:BlackbirdのWebサイト(キャプチャ)
|原文:Blackbird, Crypto Restaurant App, Raises $24M in Funding Led by A16z