「暗号資産の冬」は終わったようだ/トークン化現実資産(RWA)は10兆ドル規模に【Weekly Review:10/14〜10/20】

今週の注目!

今週は暗号資産市場に対する強気のニュースが目立ちました。振り返ると、2022年1月に「冬が始まっているのか?」と報じてから2年弱、ようやく「冬は終わった(ようだ)」と言えるときが来たのでしょうか。

「暗号資産の冬」は終わったようだ:モルガン・スタンレー

「暗号資産の冬」は終わったようだ:モルガン・スタンレー

モルガン・スタンレー・ウェルス・マネジメント(Morgan Stanley Wealth Management)は、暗号資産(仮想通貨)の弱気相場が一巡したかどうかを検証するウェブサイトへの最近の投稿で、暗号資産の冬は終わったかもしれないと述べた。

「現在のデータに基づくと、暗号資産の冬は過ぎ去り、暗号資産の春が近づいている可能性が高いことを示している」と10月17日の投稿には書かれている。

世界中で暗号資産へのニーズが高まっている:ブラックロックのラリー・フィンクCEO

世界中で暗号資産へのニーズが高まっている:ブラックロックのラリー・フィンクCEO

世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)のラリー・フィンクCEOは、世界中のクライアントが「暗号資産(仮想通貨)へのニーズ」について話をしていると語った。

ビットコイン

今週は、ETF承認についての誤報という騒がしいスタートとなりましたが、それで勢いがついたのか、ビットコインは比較的好調に推移しました。

ビットコイン、ETF承認の誤報で3万ドルまで上昇して下落──Xで誤報が拡散

ビットコイン、ETF承認の誤報で3万ドルまで上昇して下落──Xで誤報が拡散

ビットコイン(BTC)は、X(旧ツイッター)に、現物(スポット)ETF承認の誤情報が投稿されたことで2万7900ドルから3万ドルまで急騰、1時間で約1億ドル(約150億円、1ドル150円換算)の清算につながった。

ビットコイン、2万9000ドル近くまで上昇──フィデリティによるETF申請書類の修正が強気を呼ぶ

ビットコイン(BTC)は、アメリカで提出されたビットコイン上場投資信託(ETF)の修正によって強気心理が刺激され、2万8817ドルの高値まで上昇した。

ビットコイン、SECの訴訟と金利懸念でも下落せず──XRPは6%上昇

ビットコイン(BTC)は19日昼、急落の要因となる可能性があったニュースにもかかわらず小幅な上昇を保ち、2万8600ドル(約429万円、1ドル150円換算)で推移していた。

世界のビットコインATM台数が2021年以来最低に

世界のビットコインATM台数が2021年以来最低に

AltIndexが18日に発表したデータによると、全世界のビットコインATMの数が今月、2年ぶりの低水準に落ち込んだ。

ビットコインが3万ドルに接近──ETFへの期待が強気を後押し

アメリカでのビットコイン上場投資信託(ETF)承認の可能性をめぐる強気なセンチメントが勢いを増す中、ビットコイン(BTC)は2万9800ドル付近まで上昇し、週間の上げ幅を9%超に拡大した。

イーサリアム

好調なビットコインの一方で、イーサリアムは「シャンハイ」以降の勢いがいよいよ途切れたのでしょうか。

イーサリアムのステーキング利回りに対する投資家の需要は鈍化: コインベース

イーサリアム・ブロックチェーンのバリデーター待ちの行列が、5月の「シャンハイ」アップグレード以来初めて空になった。これはイーサリアム(ETH)のステーキングに対する投資家の需要が横ばいになっていることを示しているとコインベース(Coinbase)は10月13日の調査報告書で述べた。

米国債の逆イールドが縮小──イーサリアムはビットコインを下回り続ける可能性大

米国債の逆イールドが縮小──イーサリアムはビットコインを下回り続ける可能性大

イーサリアム(ETH)は今年、ビットコイン(BTC)を大幅にアンダーパフォームしており、この傾向は続く可能性がある。

マーケット動向

マーケットはETF承認にまつわるニュースが多くなりました。そのなかで注目はトークン化現実資産(RWA)のニュース。日本でもセキュリティ・トークン(デジタル証券)をきっかけに、トークン化RWAに注目が集まっています。

ビットコイン現物ETFの承認は織り込み済み:コインベース

金融市場では、未確認の好材料を背景に特定の資産が突出する一方で、マクロ経済の不利な展開によって市場全体は苦境に陥ることがよくある。

ここ数カ月の暗号資産(仮想通貨)市場では、まさにそれが起きている。コインベース・インスティチューショナル(Coinbase Institutional)によると、マクロ経済が不透明な中、ビットコイン(BTC)は他の暗号資産をアウトパフォームしているが、これはトレーダーがスポットベースの上場投資信託(ETF)が承認される可能性を評価しているためだという。

バイナンスのビットコイン流動性が大きく低下──ETFの誤報による乱高下の中で

バイナンスのビットコイン流動性が大きく低下──ETFの誤報による乱高下の中で

バイナンス(Binance)は長い間、取引量で世界最大の暗号通貨(仮想通貨)取引所だった。しかし、パリに拠点を置く暗号資産市場調査企業カイコ(Kaiko)が追跡したデータによると、10月16日にバイナンスでビットコイン(BTC)を素早く売買しようとするトレーダーは、クラーケン(Kraken)やコインベース(Coinbase)に比べて相対的に不利な状況にあった。

トークン化された現実資産(RWA)、2030年までに10兆ドル規模に成長する可能性:21.co

トークン化された現実資産(RWA)、2030年までに10兆ドル規模に成長する可能性:21.co

暗号資産投資プロダクトを手がける21.coはレポートで、伝統的金融(TradFi)がブロックチェーン技術の採用を継続しているため、トークン化資産の市場は今後10年間で10兆ドル(1500兆円、1ドル150円換算)規模に成長する可能性があると述べた。

コインベースの株価は適正か──取引高が予想以上に減少と独投資銀行が指摘

コインベース(Coinbase)のアメリカにおける暗号資産(仮想通貨)取引高は、第3四半期に予想以上に減少したようだと、ドイツの投資銀行ベレンベルク(Berenberg)が10月17日の調査報告書で述べた。

現物ビットコインETF承認は織り込み済み?アナリストの見解が分かれる

現物ビットコインETF(上場投資信託)の承認に関するフェイクニュースを受けた16日のビットコイン(BTC)の暴騰は短命だったが、アナリストらは、実際に承認されたときに市場がどのように反応するかの予行演習となったと分析している。

SEC

一時は、アメリカの暗号資産業界を潰すつもりなのか、といわれたSEC。最近の裁判では負けが続いています。

SEC、対グレイスケール訴訟で控訴しない見通し──GBTCのETF転換に期待

事情に詳しい関係者によると、米証券取引委員会(SEC)は、グレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)をより投資家に優しいETF(上場投資信託)に転換することを認めないというSECの判断を覆した裁判所の判決に対して控訴しない方針だという。これにより、アメリカ初のビットコイン(BTC)ETFへの道が開かれることになる。

SECが対グレイスケール訴訟で控訴せず、次の展開は?

米証券取引委員会(SEC)は、グレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)を現物ETF(上場投資信託)に転換することを求めるグレイスケールの申請をめぐり8月に敗訴していたが、控訴しなかった。これを受けて、グレイスケールと暗号資産業界は次の行動を検討している。

SEC、リップル社のガーリングハウスCEOとラーセン会長に対する告訴取り下げ

SEC、リップル社のガーリングハウスCEOとラーセン会長に対する告訴取り下げ

SEC(米証券取引委員会)はもう、暗号資産XRP(エックス・アール・ピー)取引において連邦証券法に違反する行為を促したとして、リップル社のブラッド・ガーリングハウス(Brad Garlinghouse)CEOとクリス・ラーセン(Chris Larsen)会長を訴えることはできない。来年に予定されていた裁判は中止され、リップル社はSECとの長期にわたる裁判において、また勝利を得ることになった。

業界動向

「メルコイン」は3月にサービスを開始してから、7カ月で利用者数100万人突破。日本の暗号資産ユーザーにこれまでとは違う、新しい層を呼び込んでいます。

bitFlyer、「クリプタクト」のpafinと資本業務提携

bitFlyer Holdings(ビットフライヤーホールディングス)は、暗号資産(仮想通貨)の自動損益計算サービス「クリプタクト」を運営するpafinと資本業務提携契約を締結したと、13日に発表した。

メルコイン、利用者数が100万人を突破

メルコイン、利用者数が100万人を突破

メルカリの子会社でビットコイン取引サービスのメルコインは10月16日、サービスの利用者数が100万人を突破したと発表した。メルコインは今年3月にサービスを開始した。

フェラーリ、アメリカで暗号資産決済の受け入れを開始:ロイター

ロイターの報道によると、フェラーリ(Ferrari)はアメリカで暗号資産(仮想通貨)を支払い方法として受け入れる。

バイナンスUS、米ドルの引き出しを停止

バイナンスUS(Binance.US)のユーザーは、同取引所が10月16日に利用規約を更新した後、プラットフォームから直接ドルを引き出すことができなくなった。

サンリオとGaudiy、「ファン国家」の実現を目指す次世代型SNSサービスを2024年全世界にリリース

サンリオとGaudiy、「ファン国家」の実現を目指す次世代型SNSサービスを2024年全世界にリリース

サンリオとGaudiyは10月19日、Web3と生成AI技術を活用した次世代型SNSサービスを2024年春に世界同時リリースと発表した。ブロックチェーンや生成AIなどの先端技術を活用し、ファンが国境を越えて自分の”好き”や”夢中”でつながる経済圏「ファン国家」の実現を目指すとしている。

テスラ、第3四半期もビットコインの保有量を維持

テスラ(Tesla)のビットコイン(BTC)保有量は第3四半期には安定していたことが、アメリカを拠点とするこの自動車メーカーの新しい決算報告で明らかになった。

新規Xユーザーに1ドル課金するイーロン・マスク氏のプランでは、ボットによる詐欺を阻止できない

ソーシャルアプリX(旧Twitter)の新規ユーザーに1ドルを課金する計画は、暗号資産プロジェクトやユーザーの多くが利用する人気プラットフォームで蔓延するボットを抑止する効果はほとんどないかもしれない。

野村證券とKudasai、Web3コンテンツ強化で連携

野村證券とKudasaiは、Web3学習アプリ「Web3ポケットキャンパス」のコンテンツ強化における連携を開始したと10月20日、発表した。

One More Things…

BNBの取り扱いは、バイナンスジャパンに続いて2例目。バイナンスジャパンは、日本でのエコシステム拡大を狙っていますが、その動きに弾みがつくのでしょうか。

ビットバンク、ビルドアンドビルド(BNB)の取り扱い開始を発表

ビットバンク、ビルドアンドビルド(BNB)の取り扱い開始を発表

暗号資産取引所のビットバンクは10月19日、暗号資産ビルドアンドビルド(BNB)の取り扱いを10月23日から開始すると発表した。

|文・編集:増田隆幸
|トップ画像:Shutterstock