アイゲンレイヤーが再ステーキングの上限引き上げ──TVLが急騰して30億ドル超え

リキッド再ステーキングプロトコルのアイゲンレイヤー(EigenLayer)は、20万ETHに設定されていたプロトコルごとのステーキング上限を一時的に撤廃した。これを受けて数時間で預かり資産(Total Value Locked:TVL)が7億5000万ドル(約1125億円、1ドル150円換算)増加した。

DefiLlamaのデータでは、上限撤廃から2時間以内に100万ETH以上の流入が発生し、累計の預かり資産が30億ドルを超えたことが示されている。本記事執筆時点での公式の預かり資産は32億ドルとなっており、前日の集計からは10億ドルの増加となる。

リドへの流入がトップ

再ステーキングでは、メインのイーサリアムブロックチェーンですでにステーキングしているイーサリアムを、他のレイヤーでステーキングすることで追加の報酬を獲得できる。現在アイゲンレイヤーは、リド・ステークドETH(stETH)やロケットプールETH(RETH)などの人気のあるリキッドステーキングトークン(LST)に対応している。リドとロケットプールは、ユーザーに代わってイーサリアムをステーキングするプラットフォームの一つだ。ステークキングしていることを示すLSTが発行されるが、このLSTに利息が発生し、他のトークンと同じように取引できる。

5日の流入額ではリドのstETHがトップで、アイゲンレイヤーへの新規入金の約80%を占める5億6000万ドルだった。

将来的に上限の永久撤廃を予定

アイゲンレイヤーの最近のブログ投稿によると、LSTの上限の撤廃は「オーガニックな需要を呼び込む」ことが目的だという。新しい上限は2月9日に適用されるが、アイゲンレイヤーは将来的には入金制限を永久に撤廃する予定だとしている。

また、アイゲンレイヤーは、投資家がノードを運用できるようになるオペレーター向けのメインネットの立ち上げと、アイゲンレイヤー上に構築される初の「積極的に検証されたサービス(actively validated service)」となる分散型データ可用性サービスEigenDAの導入を間もなく行うことも発表した。

Puffer FinanceやEther.fiのような新興プロジェクトが相次いで、再ステーキングしたユーザーに「ポイント」と呼ばれる非常に大きな報酬を提供し始めたため、ここ数カ月でアイゲンレイヤーへの関心が高まっている。しかし、再ステーキングがブームになる一方で、アイゲンレイヤーの「共有セキュリティ」モデルがイーサリアムブロックチェーンに過度の負担をかけたり、酷使したりする可能性があると一部の開発者は警告している。

|翻訳・編集:林理南
|画像:アイゲンレイヤーCEO(Bradley Keoun)
|原文:EigenLayer Lifts Staking Cap, TVL Soars Past $3B