コインチェック、組込型の暗号資産購入サービス──フィナンシェ社が導入、サイト内でFNCT購入が可能に

コインチェックは、暗号資産の購入からウォレットへの送金までをシームレスに実現する暗号資産購入・送金サービス「Coincheck OnRamp(コインチェック・オンランプ)」の提供を2024年2月20日から開始する。同社が8日、発表した。いわゆる、EaaSと呼ばれるサービス形態だ。

EaaS:Exchange as a Service(エクスチェンジ・アズ・ア・サービス)、取引所の機能を外部の事業者にサービスとして提供する仕組み。SaaS(サース:Software as a Service)、BaaS(バース:Banking as a Service)などの用語が知られている。

トークン発行型クラウドファンディングサービス「FiNANCiE」などを展開するフィナンシェが同サービスを導入、Webサイト「FNCT.xyz」内でFNCT(フィナンシェトークン)が購入できるようになる。

オンランプとは

「OnRamp(オンランプ)」は、暗号資産業界でよく使われている用語で、リリースによると、もともとは「高速道路に入る車線や入り口ランプ」を意味する。そこから転じて、法定通貨から暗号資産への交換、つまり法定通貨やクレジットカードなどを使った暗号資産の購入を示す。逆(暗号資産から法定通貨への交換、つまり売却)は「オフランプ」と呼ぶ。

今年、マスアダプションが期待されるWeb3だが、暗号資産の購入には、そのプロセスやUXなどに課題が残る。「Coincheck OnRamp」開発の背景としてコインチェックは、Web3プロダクトにおける複雑なUXの問題を解決し、シームレスなプロセスを実現することをあげている。

リリースの中で同社執行役員 web3Cloud事業本部長の大塚雄介氏は「昨今、あらゆる金融系の機能がEmbedded Finance(組込型金融)化しはじめる中、web3プロダクト上でユーザーが暗号資産を使用するためのプロセスは非常に複雑になっており、ユーザー体験の改善が強く求められている状況が続いています。そうした中で、『CoincheckOnRamp』は、ユーザーのUXを向上させ、web3テクノロジーと金融の両軸からプロダクトの成功を支援するパートナーでありたいと考えております」と述べた。

フィナンシェ代表取締役CEOの國光宏尚氏は「『FNCT.xyz』内で完結する形で、FNCTを購入していただけるようになります。従来よりシンプルで、シームレスに向上したUX体験を是非お試しください」と記している。

コインチェックは昨年9月に開催されたマネックスグループ事業戦略説明会で「コインチェックの機能を開放していく」(同社副社長執行役員の井坂友之氏)と述べていた。

「コインチェックの機能を開放していく」──マネックスグループが事業戦略説明会を開催
(撮影:CoinDesk JAPAN編集部)

|文:CoinDesk JAPAN編集部
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