鉱業大手7社、持続可能な資源開発のためのブロックチェーン・ソリューションに向けWEFと連携

鉱業・金属大手7社は、責任ある持続可能な資源開発をサポートするブロックチェーン・ツールを開発・展開するために世界経済フォーラム(WEF)と連携した。

「マイニング・アンド・メタルス・ブロックチェーン・イニシアティブ(Mining and Metals Blockchain Initiative)」は、各種資源とともに関連する炭素排出量を監視・追跡するブロックチェーン・ソリューション構築についての調査を行う。

設立メンバーとして、タタ・スチール(Tata Steel)、アントファガスタ・ミネラルズ(Antofagasta Minerals)、ユーラシアン・リソース・グループ(Eurasian Resources Group Sarl)、グレンコア(Glencore)、クロックナー・アンド・コー(Klockner&Co)、ミンスールSA(Minsur SA)、アングロ・アメリカン/デビアス(Anglo American/De Beers[Tracr])が参加。10月25日(現地時間)、WEFが発表した

同イニシアティブは、この取り組みにより、参加企業間でリソースとコストをプールできるようになると期待している。また同時に、この業界における非効率性と相互運用性の欠如に取り組むという、より大きな目的も達成できると考えている。

「新しいイニシアティブは、業界によって、業界のために所有され推進されている。メンバーはガバナンスに関連する問題を検討し、ケーススタディを開発し、ワーキンググループを設立する」とWEFは述べた。

さらに同イニシアティブはまず、シェアード・ブロックチェーン・プラットフォーム向けの共同概念実証(PoC)の展開を計画している。

WEFは、参加企業が「ブロックチェーン技術の影響と可能性をより良く理解する」ことを支援するために技術と専門知識を提供する。

「鉱業・金属業界の責任あるプレーヤーとして、我々は持続可能な未来を構築することに全力を注いでいる」とタタ・スチールのCEO、T.V.ナレンドラン(T.V. Narendran)氏は述べた。

「我々は、業界全体のコラボレーションを強化して共同アクションを促進し、炭素排出量を削減するために技術を活用し、そして環境を守ることは、カーボンニュートラルな未来を手に入れるために必須かつ極めて重要と考えている」

WEFは、数多くの分野においてブロックチェーン普及の強力な支持者となっており、2018年9月に発表された研究では、環境問題において65のブロックチェーン使用例が確認された。さらに同月のWEFの別の調査は、ブロックチェーン技術が導入された場合、1兆ドルが貿易金融の対象になると記した

翻訳:新井朝子
編集:増田隆幸
写真:Mining image via Shutterstock
原文:7 Mining Heavyweights Partner With WEF on Blockchain Sourcing Initiative