野村HDの合弁会社、デジタル証券の発行プラットフォーム発表──セキュリティ・トークンの発行と取引【ibet】

野村HDの合弁会社、デジタル証券の発行プラットフォーム発表──セキュリティ・トークンの発行と取引【ibet】

Brady Dale
公開日:2019年 11月 18日 16:30
更新日:2019年 11月 20日 17:37

証券最大手の野村ホールディングスが野村総合研究所(NRI)と設立した合弁会社「ブーストリー」が、金融商品などデジタル化したさまざまな権利の発行と取引ができるプラットフォーム「ibet」を公開した。

株式や債権、不動産などの所有権や配当を受ける権利をトークンの形で表したセキュリティ・トークン(デジタル証券)は、2020年春に予定される改正金融商品取引法の施行により、「電子記録移転権利」などに位置付けられる。今後、市場が生まれ、拡大することへの期待が高まっており、デジタル証券、セキュリティ・トークンの発行に向けた動きは加速していきそうだ。

さまざまな権利と取引がブロックチェーン上でプログラム化

ブーストリーが発表したプラットフォーム「ibet」では、さまざまな権利と取引方法がトークンとして発行され、ブロックチェーン上のスマートコントラクトによってプログラム化される。同社は「取引市場の中間者の役割をプログラムにより実現することで、安全安心なデジタル上での相対取引を実現」するとしている。

セキュリティ・トークンは株式や債券、不動産などの有価証券をデジタル化したものを指すが、ibetのWebサイトではトークンの例として、「社債」「会員権」「サービス利用権」が挙げられており、当初は債券がデジタル化の対象になるとみられる。

ibetに用いられているブロックチェーンは“コンソーシアム型”で、ブロックを検証するバリデーターノードはブーストリーが運用する。企業などがibetにジェネラルノードとして参加するには、バリデーターノードの承認が必要だ。バリーデーターノードはいずれ複数社での運用に切り替える予定という。

ブーストリーは2019年9月に設立。代表者は佐々木俊典氏で、資本金は11億7,500万円(資本準備金含む)、出資比率は野村ホールディングス66%、野村総研34%。

STOへの注目が高まる中、日本でも動きが活発化

ブロックチェーン技術を活用したセキュリティ・トークンを発行することで資金を調達するSTO(セキュリティ・トークン・オファリング)は、欧米のスタートアップや金融機関、取引所が取り組むなど、世界中で注目が高まりつつある。

日本でも来春の改正金商法施行を控えて動きが活発化しつつある。中でも野村ホールディングスは、ブーストリーの設立以外にも、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)とともに、ブロックチェーン上でデジタル証券を発行・管理するサービスを提供する米国企業・セキュリタイズへの出資を決めるなど、この分野に注力している。

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このほかMUFGも存在感を見せつつある。三菱UFJ信託銀行が、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJ銀行とともに、デジタル証券の発行から流通まで、証券資金決済だけでなく権利保全も含め自動かつ一括で処理できる基盤「プログマ(progmat)」の構想を明らかにしている。

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文:濱田 優
編集:CoinDesk Japan編集部
写真:ibet Webサイトより