長引くビットコインの「極度の恐怖」、値上がりの前兆か
  • 「Fear and Greed Index(恐怖と貪欲指数)」で「Extreme Fear(極度の恐怖)」の状態が長期的に続くと、ビットコイン(BTC)価格が上昇する可能性を示唆する場合がある。以前にも同様のパターンで、ビットコインが200%上昇したことがある。
  • 指数が「極度の恐怖」に落ち込むと、ビットコインに買いの機会が訪れるが、このような状況では以前、3カ月で価値が2倍になった。
  • ビットコイン市場のボラティリティと不確実性によって、利益確定売りと、ホワイトハウスで予定されている暗号資産(仮想通貨)サミットからのより明確な情報を待つ様子見のアプローチが生じている。

市場のセンチメントを測るために多くの人が注目している恐怖と貪欲指数では数日間、「極度の恐怖」の状態が続いており、今後数週間で上昇する前にビットコイン価格が底を打とうとしていることを示唆している可能性がある。

「恐怖と貪欲指数」は、市場における投資家の感情を0(最低のセンチメント)から100(最高のセンチメント)までで測定する。ビットコインの恐怖と貪欲指数ではここ数日、価格が8万3000ドルと9万5000ドルの間で揺れ動く中、「極度の恐怖」が続いている。

ビットコイン恐怖と貪欲指数: 極度の恐怖!

2024年9月、ビットコイン価格が5万3000ドルであった時以来初めて、極度の恐怖が継続している。

前回このようになった時には、ビットコインが3カ月で2倍になった。

歴史は繰り返されるのか?

この指数は、投資家が怖がりすぎているのか(潜在的な買いの機会)、それとも欲張りすぎているのか(市場調整の可能性)を見分けるのに役立ち、短期的には逆張り指標として機能する傾向がある。

この指標は、価格のボラティリティとモメンタム、ソーシャルメディアでのセンチメント、グーグルトレンドのデータ、ビットコインの市場シェアに基づいている。

「ビットコインが5万3000ドルで取引されていた2024年9月以来の「極度の恐怖」状態の継続は、極めて重要な歴史的安値と呼応している」と、取引会社クロノス・リサーチ(Kronos Research)のCIO、ビンセント・リウ(Vincent Liu)氏は語り、次のように続けた。

「当時、ビットコインの価値はその後3カ月で倍増した。経験豊富な投資家にとっては、潜在的な買いの機会を示唆している」。

「貿易関税とより広範なマクロ経済の不確実性に煽られた現在の市場のボラティリティの中だが、世界的な貿易摩擦が緩和し、全体的な経済センチメントが強まれば、この瞬間は絶好の参入の機会となる可能性がある」とリウ氏は付け加えた。

ビットコインと、カルダノ(ADA)、ソラナ(SOL)、エックス・アール・ピー(XRP)を含むいくつかの主要トークンは3月2日、トランプ米大統領の米国暗号資産戦略準備金の発表を受けて急騰した。

しかし、具体的な計画が示されない中での利益確定売りと、株式市場全体のリスクオフムードにより、当初の盛り上がりは短命に終わった。

トランプ氏が発表したカナダ、メキシコ、中国に対する関税はさらに市場に影響を与え、トレーダーたちは現在、今後のポジショニングの手がかりとして、ホワイトハウスで開催される暗号資産サミットからより明確な情報が得られるのを待っている。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin’s Extended ‘Extreme Fear’ Reading Might Just Pump It Higher