暗号資産サミット後、ビットコインは5000ドル近く変動する可能性がある:STS Digital
  • ホワイトハウスの暗号資産サミットは、取引活動の活発化につながるかもしれない。
  • 噂によると、トランプ大統領はサミットで戦略的なBTC準備を発表する可能性がある。
  • オプション市場は、サミット後のBTC、ETH、SOLの潜在的なボラティリティを示している。

もし今週末にトレーディング画面から離れる予定があるなら、よく考えてほしい。暗号資産(仮想通貨)取引企業 STS Digital による分析結果は、3月7日金曜日にホワイトハウスで行われる暗号資産サミットが取引の活発化につながる可能性を示唆している。

昨年11月の大統領選挙の前に戦略的な暗号資産準備を約束したドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は、コインベース(Coinbase)、チェーンリンク(Chainlink)、エクソダス(Exodus)などの業界トップ企業を招く予定だ。

最新の噂によると、このサミットでトランプ大統領は戦略的なビットコイン(BTC)準備の創設を発表する可能性があり、3月2日に発表されたBTCとイーサリアム(ETH)をコアとし、エックス・アール・ピー(XRP)、カルダノ(ADA)、ソラナ(SOL)などのアルトコインのバスケットを示唆する内容から方向転換するかもしれない。

デリビット(Deribit)におけるBTC、ETH、SOLのオプション価格を見ると、トレーダーたちはサミットの余波で週末に変動が激しくなることを覚悟していることが分かる。

「オプション市場は、週末を控えて神経質になっており(流動性が低下している)、さまざまな可能性を示している。金曜日と土曜日のインプライド・ボラティリティ(IV:予想変動率)のスプレッドは25ポイント近く開いており、金曜日の満期では予想変動率に達していない」 とSTS Digitalのアジア部門責任者であるジェフ・アンダーソン(Jeff Anderson)氏はCoinDeskに語った。

オプション価格から導き出される指標である「インプライド・ボラティリティ」は、トレーダーが特定の期間に資産価格がどれほど変動すると予想しているかを示している。オプションは、購入者に、将来の特定の期日に、あらかじめ定められた価格で原資産を売買する権利を与えるデリバティブ契約だ。

木曜の早い時間、金曜に満期を迎えるビットコインオプションは年率換算のインプライド・ボラティリティが56%を示唆していたが、土曜に満期を迎えるものは80%のボラティリティで取引されていた。この24ポイントの差は、金曜のサミット後に価格が乱高下するとの予想を示している。

イーサリアムとソラナのオプションでも同様のパターンが見られた。

[BTC、ETH、SOLのインプライド・ボラティリティとフォワード・ボラティリティおよび損益分岐点。 :STS Digital]

この表は、BTC、ETH、SOLのインプライド・ボラティリティとフォワード・ボラティリティ、およびストラドルの損益分岐点を示している。

フォワード・ボラティリティは、満期の異なるオプションのインプライド・ボラティリティを比較することで計算され、この場合、金曜日と土曜日の2つの満期日間の予想ボラティリティを示す。

104%のBTCのフォワード・ボラティリティは、協定世界時(UTC)金曜日午前8時から土曜日午前8時までの間に5.5%の価格変動が予想されることを意味する(DeribitのオプションはUTC午前8時に期限切れとなる)。

言い換えれば、サミット後にBTCはどちらかの方向にほぼ5000ドル変動する可能性があるということだ。ETHとSOLのボラティリティは、それぞれ135ドルと13ドルの変動を織り込んでいる。

アンダーソン氏によると、大きなボラティリティへの期待はしばしば失望に終わる。

「暗号資産では期待>現実となることが多いので、このような大きなボラティリティはしばしば失望に終わる。とはいえ、損益分岐点はそれほど大きくなく、オプションはこの環境下で方向性を予測する上で最も安全な手段だ」とアンダーソン氏は述べ、3月14日に満期を迎えるオプションで方向性を予測するリスクを指摘した。

「イベント終了後、懸念が和らぎ、ボラティリティが低下するにつれ、より長期のオプション価格はさらに下がると予想される」とアンダーソン氏は指摘した。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Could Move $5K After White House Crypto Summit; ETH and SOL Volatility Likely: STS Digital