ガーナ、「近い将来」にデジタル通貨発行か──中銀総裁が発言

ガーナは、中央銀行デジタル通貨の発行を目指す国に加わろうとうしている。

急速なデジタル化

ガーナの中央銀行「ガーナ銀行」のアーネスト・アディソン(Ernest Addison)総裁は11月26日(現地時間)、ガーナは通貨セディ(cedi)のデジタル版を「近い将来」発行する可能性があり、「サンドボックス環境」でのパイロット・プロジェクト開発について議論していると述べた。

ガーナの年次銀行会議(Annual Banking Conference)でのアディソン総裁の発言が公開記録で明らかになった。

アディソン総裁は、ガーナは急速にデジタル化が進行しており、携帯電話によるモバイル・バンキング分野が急成長していると述べた。「モバイル・マネー」取り引きは2017年から2018年にかけて70%増加したと総裁は述べた。

アディスン総裁は、この分野を活用する動きとして、発表の前日の25日、中央銀行がセディに1対1で裏付けられたモバイル・マネーを発行することを承認したと述べた。しかし、ガーナのニュースサイトMyJoyOnlineによると、総裁はモバイルマネーは仮想通貨とは異なると述べた。

仮想通貨ではない

「これは通貨で裏付けられた単なる電子マネー」とアディスン総裁は年次会議の記者会見で語ったと伝えられた。

「従って、お金を作り出すことはできない。ガーナ銀行が流通させているセディを電子的に表現したものに過ぎない。だから仮想通貨ではない」

アディスン総裁が提案したデジタル通貨「eセディ」を支える技術はまだ分からない。CoinDeskはガーナ銀行に確認を取っており、情報が入り次第、この記事を更新する。

広く伝えられているように、中国の中央銀行「中国人民銀行」は、デジタル人民元の発行に向け順調に準備を進めている。11月25日の発言によると、まず小売り決済の促進に利用されるようだ。

中国、そしてフェイスブック(Facebook)のリブラ(Libra)プロジェクトのような民間主導の取り組みに遅れを取らないよう、EUアメリカをはじめとする他の国や地域も独自のデジタル通貨の発行を検討している。

翻訳:新井朝子
編集:増田隆幸
写真:Ghanaian cedis image via Shutterstock
原文:Ghana May Issue Digital Currency in ‘Near Future,’ Says Central Bank Chief