ビットコイン、今年2度目の3万ドル超え──TradFi参入が後押し

ビットコイン(BTC)は21日、今年2度目の3万ドル超えを記録した。多くのTradFi(伝統的金融)プレイヤーが暗号資産(仮想通貨)への参入を進めていることを受け、市場に強気センチメントが広がった。

TradingViewのデータによると当記事執筆時点、24時間で10%以上上昇ビットコインが3万ドルを超えたのは2023年4月以来(日本時間22日7時40分時点では、3万ドルをわずかに割っている)。

「近い将来、アメリカの暗号資産市場は大手投資会社によって、完全に再編されることになるようだ」とウォレットプロバイダー、YouHodlerのマーケット責任者、ルスラン・リエンカア(Ruslan Lienkha)氏はCoinDeskに語った。

「より多くの投資家が、より低リスクで暗号資産投資を行うことができるようになるだろう。ブラックロック(BlackRock)やフィデリティ(Fidelity)の顧客のごく一部がビットコイン・スポットETF(上場投資信託)に興味を持つだけで、価格をさらに上昇させるためには十分であることに気づくことが重要だ」

ビットコインの上昇は、先週のブラックロックに続いて、インベスコ(Invesco)、ウィズダムツリー(WisdomTree)といったTradFi大手がビットコイン・スポットETFを再申請したことが要因となった。同様に20日には、TradFi大手が支援する暗号資産取引所EDXマーケッツ(EDX Markets)がスタートした。

EDXマーケッツは、チャールズ・シュワブ(Charles Schwab)、シタデル・セキュリティーズ(Citadel Securities)、フィデリティ・デジタル・アセッツ(Fidelity Digital Assets)の支援を受け、アメリカでビットコイン、イーサリアム(ETH)、ビットコインキャッシュ(BCH)、ライトコイン(LTC)の4つの暗号資産を提供する。ビットコイン・キャッシュもこのニュースを受けて、24時間で約25%上昇した。

その他、独銀大手のドイツ銀行は20日、ドイツでデジタル資産のカストディ・ライセンスを申請したと発表した。

米証券取引委員会(SEC)による暗号資産取引所に対する規制措置にも、TradFiプレーヤーは躊躇していないようだ。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Breaks $30K Amid TradFi Push Into Crypto