仮想通貨融資のブロックファイ、想定上回るイーサリアム預け入れで利息“改悪”

仮想通貨融資スタートアップ、ブロックファイ(BlockFi)は、顧客から預かる仮想通貨の総額を先月から1800万ドル(約20億1500万円)増やし、現在5300万ドル(約59億3400万円)相当のビットコイン(BTC)およびイーサリアム(ETH)の預金に利息を払っている。

また、同社はビットコインから利息を得るための最低預金額を1BTCから0.5BTCに引き下げ、インドでのサービス提供も始めた。これは、同社のサービスがアメリカ、イギリス、EUが経済制裁を下している地域以外の世界中で利用可能となったことを意味する。

2019年4月23日(現地時間)、同社のCEO、ザック・プリンス(Zac Prince)氏は「我々は顧客ベースを3月末および4月前半に約50%増やしました」とCoinDesk に語った。「利息支払いの対象とする最低預金額を下げていくことである、新規顧客数がさらに増えると我々は見込んでいます。また、特に利息の支払いが終わった、月初のタイミングで、既存顧客の預金にも増加が見られます」

しかしそれと同時に、同社は市場の状況に対応するために、イーサリアム大口預金者にとって好ましくない変更を加えた。

同社は、5月1日から年利6.2%の対象とする預金の最大額を500ETHから250ETHに引き下げる。そのラインを超過した分の預金に対しての利率はわずか2%となる。

「ブロックファイの利息支払い能力は、仮想通貨市場の融資状況に基づいております。また以前触れた通り、我々は利息を生み出すために取引先機関と独占的に提携しております。ここ1カ月で、ETHの借り入れ需要が低下しました。それにともない、ETHの利率およびその区分は調整されます」と同社は説明した。

流動的な条件

ブロックファイは、1月からビットコインとイーサリアムを担保とした法定通貨ローンを提供している。また3月には、仮想通貨預金に対して利息を払うサービスの提供を始めた。預金は機関に融資される。当時同サービスは、預金者に対して、毎月6%の利息、そして毎年6.2%の複利を支払うことを約束していた。

しかし、サービス提供開始から間もなくして、条件は修正された。3月末、同社は、25BTC、もしくは500ETH以下の預金に対しては毎月6%の利息を支払い、それを超過する分の預金に対する利率は2%とすることを発表した。同社の規約・条件には、同社が自由裁量で利率を変更できることが明記されている。

当時プリンス氏は、事業のバランスを保てないくらい預金残高が多すぎるとCoinDeskに説明していた。同社は顧客が預金している仮想通貨の大半を法人に融資することで利子を得て、その利子をもとに預金者に利息を払っていた。しかし、預金額の急増によりそのバランスが崩れてしまった。

当時同氏は「預金額が100万ドルを優に超える法人口座が見られ始めました。彼らは、我々がコア顧客として考えている層ではありませんし、これは我々が現時点で望んでいるような動きではありません」と語り、同社が一般顧客に焦点を置いていることを強調している。

翻訳:Yuta Machida
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:BlockFi image via CoinDesk archives
原文:BlockFi Is Now Paying Interest on $53 Million of Crypto Deposits