ビットフィネックス、950億円規模の損失を顧客資産で隠ぺいか。NY州司法当局が訴追

ニューヨーク州司法当局は、仮想通貨取引所のビットフィネックス(Bitfinex)が8億5000万ドル(約950億円)に及ぶ損失を、関連会社でステーブルコインを取り扱うテザー(Tether)が管理する顧客資産を利用して隠ぺいしたとして、両社を運営する企業を訴追した。

同州のレティーシャ・ジェームズ(Letitia James)司法長官は2019年4月25日(現地時間)、ビットフィネックスとテザーが顧客を騙し州法に違反したとして、2社の運営元であるiFinexに対して事業中止を命じる裁判所の令状を得たと発表した。

司法当局の調べによると、iFinexは8億5000万ドルの損失を、顧客と自社の資産が混じる資金を利用して隠蔽操作に関与したという。

ビットフィネックスは8億5000万ドルの資産を、提携先で、カナダ・クアドリガCXなどの取引所の資産をも管理する決済サービス、クリプト・キャピタル(Crypto Capital Corp)に送金していた。テザーの準備金などの資金は損失の埋め合わせに利用されていた。損失やテザーから資金が移動した事実は、顧客に開示されなかった(司法当局・発表文)。

抜粋・翻訳:CoinDesk Japan
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:ニューヨーク州・レティーシャ・ジェームズ司法長官(Shutterstock)
原文:Bitfinex Covered $850 Million Loss Using Tether Funds, NY Prosecutors Allege