NTTデータ、デジタル証券のセキュリタイズと協業──ST基盤を共同研究

株式や債券、不動産などの証券をトークン化して発行・管理するプラットフォームを開発するセキュリタイズ(Securitize Japan)が、NTTデータと共同で日本におけるデジタル証券基盤の開発に向けた調査を開始した。

セキュリタイズの11日付発表文によると、両社は既に共同研究の一環として、セキュリティトークン(デジタル証券)プラットフォームの調査を実施。日本の市場特性に適したプラットフォームの開発・提供を目指していく。

セキュリタイズのプラットフォームは、発行体企業を中心に置いた米国の私募市場での証券発行・流通事業モデルをベースに置いている。今回の共同研究では、日本の資本市場の特性に対応するための方法を探っていく。

NTTデータと手を組みSTの普及を加速

セキュリタイズは、NTTデータと組むことで、国内でSTの活用を検討する企業に対してより効果的な提案を行っていく方針だ。

「セキュリタイズとの共同研究により、国内のセキュリティートークンプラットフォームの整備が進み、顧客に対してよりよいサービスを提供できることを期待する」とNTTデータで技術革新統括本部システム技術本部⻑を務める田中秀彦氏は発表文で述べている。

一方、セキュリタイズ・ジャパンのカントリーヘッド、小林英至氏は、「NTTデータ社との協業は、セキュリタイズのこれまでのローカリゼーションの取り組みを強化するものとして、意義深い一歩。優れたSTOプラットフォームの提供を通して、日本の資本市場の発展と国際競争力の強化に資することができれば嬉しく思う」とコメントした。

サンフランシスコに本社を置くセキュリタイズはこれまで、三菱UFJフィナンシャルやSBIホールディングス、野村ホールディングス、ソニー・フィナンシャル・ベンチャーズを含む各国の金融機関から3000万ドルを超える資金を調達。セキュリタイズによると、同社が開発したプラットフォームを利用する投資家は現在までに4万人を超えるという。

編集:佐藤茂
写真:Shutterstock