イーサリアム「Merge」完了、スタバがNFTポイントサービス開始へ【9/10~9/16のトップニュース】

Merge(マージ)が日本時間9月15日15時43分頃に完了。イーサリアムブロックチェーンはプルーフ・オブ・ステーク(PoS)コンセンサスメカニズムに移行した──今週のトップニュースをダイジェストで振り返ります。

ブテリン氏、キエフ・テックサミットにサプライズ登壇

イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は9月9日、キエフ・テックサミット(Kyiv Tech Summit)に登壇して参加者を驚かせ、戦火に見舞われたウクライナを支援する姿勢を示した。出席はセキュリティ上の理由から秘密にされていたと主催者は語った。

ブテリン氏は以前からウクライナを支援している。ブテリン氏はロシアで生まれ、2017年にはプーチン大統領にイーサリアムの可能性を語っているが、何年にもわたってロシア政府と政府のウクライナへの姿勢を批判している。

Merge、機関投資家のイーサリアム投資促進:バンカメ

イーサリアムブロックチェーンのプルーフ・オブ・ワーク(PoW)からプルーフ・オブ・ステーク(PoS)への移行、いわゆる「Merge(マージ)」はスケーラビリティ(拡張性)や高い取引手数料についての懸念を解決するものではないが、次のアップグレード「Surge(サージ)」の単なる前触れとなる以上の意味があるとバンク・オブ・アメリカは9月9日のレポートで述べた。

タランティーノ監督「パルプ・フィクション」のNFTをめぐる裁判で映画会社と和解

映画監督クエンティン・タランティーノ氏と映画会社ミラマックスのNFTをめぐる裁判は和解が成立した。9月9日、裁判所提出書類で明らかになった。

タランティーノ監督とミラマックスは9日の共同声明で「両者はこの問題を過去のものとし、NFTの可能性を含めて今後のプロジェクトで互いに協力することに合意した」と述べた。合意条件は明らかにされていない。

Merge後、イーサリアムの値動きは?──ステーキングされたイーサリアムは売却されるのか

ブロックチェーン分析企業ナンセン(Nansen)は9月12日、今週予定されているイーサリアムブロックチェーンのPoS移行「Merge(マージ)」に関して浮かび上がっている懸念についてのレポートを発表した。

イーサリアム、PoWフォークはMergeの24時間後

イーサリアムブロックチェーンのプルーフ・オブ・ワーク(PoW)フォークは、Merge(マージ)の24時間後に行われる。@EthereumPoWが9月12日、ツイッターに投稿した。

ツイートには正確な時間は記載されておらず、情報は「カウントダウン形式で開始1時間前に発表する」としている。Mergeは15日と予定されている。

フォビ、7つのプライバシートークンの上場を廃止──モネロ(XMR)、ジーキャッシュ(ZEC)、ダッシュ(DASH)など

大手暗号資産(仮想通貨)取引所フォビ・グローバル(Huobi Global)は9月12日、7つのプライバシートークンの上場を19日に廃止すると発表した。プライバシートークンに対する規制強化を理由にあげている。

モネロ(XMR)、ジーキャッシュ(ZEC)、ダッシュ(DASH)、ディークレッド(DCR)、フィーロ(FIRO)、バージ(XVG)、ホライズン(ZEN)の7つの暗号資産の取引(現物と先物)は09月6日に停止された。上場廃止は協定世界時(UTC)9月19日8時(日本時間19日17時)の予定。

スタバがNFTのポイントサービスを開始へ──ポリゴンを採用

スターバックスがNFTを活用したポイントプログラムを開始する。基盤となるブロックチェーンは、イーサリアムのレイヤー2ソリューションであるポリゴン(Polygon)を採用した。

9月12日に発表されたサービスの名称は「スターバックス・オデッセイ(Starbucks Odyssey)」で、NFT化されたデジタルスタンプを購入すると、利用者はそれに付随する没入型イベントへの参加チケットなど、複数の特典を取得することができる。

米金融大手が暗号資産取引所開設へ──チャールズ・シュワブ、シタデル、フィデリティなど

チャールズ・シュワブ、シタデル・セキュリティーズ、フィデリティ・インベストメンツなどの金融大手は9月13日、暗号資産(仮想通貨)取引所EDX Marketsを開設すると発表、「暗号の冬」にもかかわらず、ウォール街が暗号資産分野で着実に前進していることを示した。

トレーディング会社のヴァーチェ・ファイナンシャル(Virtu Financial)、ベンチャーキャピタルのセコイア・キャピタル(Sequoia Capital)とパラダイム(Paradigm)も参加している。CEOはシタデル・セキュリティーズの元幹部ジャミル・ナザラリ(Jamil Nazarali)氏が務める予定という。

投資大手のKKR、ファンド運用にトークン活用──チェーンはアバランチ、個人投資家の資金促す

米プライベートエクイティ大手のKKRが、一部の投資ファンドの運用に、高速で処理できるブロックチェーンで取引できるデジタルトークンを活用する。

このプロジェクトに参画したのは、アメリカ企業のセキュリタイズ(Securitize)。同社は、株式や債券、動産、不動産を裏付け資産とするセキュリティトークン(デジタル証券)を、ブロックチェーン上で発行・取引できるプラットフォームを開発している。

リナックス財団、相互運用可能なデジタルウォレット開発へ

リナックス財団(Linux Foundation)はさまざまなユースケースに対応する相互運用可能なデジタルウォレット開発を促進するために、オープンウォレット財団(OpenWallet Foundation:OWF)の設立を計画している。

リリースによるとOWFは、組織や企業が独自の相互運用可能なデジタルウォレットを開発できる、オープンソースのソフトウェアエンジン開発に注力するという。OWF自体は独自ウォレットを開発したり、ウォレット開発のための認証や新規格を提供することはしない。

BAYCバンド「Kingship」、ビヨンセやジャスティン・ティンバーレイクを手がけたプロデューサーと楽曲制作

ビヨンセやジャスティン・ティンバーレイクのヒット曲を手がけ、グラミー賞を受賞している2人のプロデューサーがNFTバンドに協力している。

プロデューサー兼ソングライターのジェームズ・フォントルロイ(James Fauntleroy)とヒットボーイ(Hit-Boy)は、ユニバーサル・ミュージック・グループ(Universal Music Group)の暗号資産カルチャー向けサブレーベル「10:22PM」が2021年11月に結成したBored Ape Yacht Club(BAYC)のバンド「Kingship」の楽曲を制作中だ。

GMOのステーブルコイン、海外の機関投資家に提供開始──米アンカレッジと提携

GMOインターネットグループ傘下で、日本円に連動するステーブルコイン「GYEN」の開発を行う米国法人のGMO-Z.comが、機関投資家向けへの提供を開始した。

GMO-Z.com Trust Companyは9月13日、同社が米アンカレッジ・デジタル(Anchorage Digital)と提携し、アンカレッジ・デジタルの機関投資家を対象にGYENの提供を開始したと発表した。

テラ共同創業者らに逮捕状

韓国・大検察庁金融犯罪課によると、韓国の裁判所はTerraform Labs(現在はすでに消滅している)の共同創業者ドー・クォン(Do Kwon)氏に逮捕状を出した。

ブルームバーグは、逮捕状にはさらに5人が含まれていると伝えた。6人は資本市場法違反で起訴されるという。

マージ、中国マイナーの影響力を明らかに:VC

Merge(マージ)は、中国のマイナーが暗号資産業界にまだ影響力を持っているかどうかを明らかにすると、北京に拠点を置く暗号資産投資会社Sino Global Capitalのマシュー・グラハム(Matthew Graham)CEOは考えている。

グラハムCEOは9月14日、CoinDesk TVに出演し、「中国の大規模マイナーがまだどれほどの市場パワーを持っているかがわかるだろう」と述べた。

40億ドル超のグーグルへの制裁金、Web3を脅かす:法律専門家

EU(欧州連合)裁判所が9月14日に下した判決は、表面上はグーグルに対する巨額の制裁金を支持したものだが、将来のWeb3オープンソースプロトコル開発者を実質的に束縛するものかもしれないとアムステルダム大学のティボー・シュレペル(Thibault Schrepel)准教授は語った。

欧州委員会は2018年、グーグルと親会社のアルファベットがアンドロイドスマートフォンにグーグル独自の検索アプリをプリインストールすることを事実上強制して競争を制限したとして、43億4300万ユーロ(約43億3600万ドル、約6200億円)という記録的な制裁金を科した。

Merge完了、イーサリアムブロックチェーンがPoSに移行

Merge(マージ)が日本時間9月15日15時43分頃に完了。イーサリアムブロックチェーンはプルーフ・オブ・ステーク(PoS)コンセンサスメカニズムに移行した。

イーサリアム、Merge完了後も横ばい

イーサリアム(ETH)はMerge(マージ)後の数分間、1%未満の動きで1605ドルとなり、アジア時間の15日はほぼ横ばいで推移した。Mergeまでの2週間でイーサリアムは4%上昇したが、前月から15.5%下落している(その後、日本時間16時40分頃には、1630ドル付近となっている)。

Merge前の最後のブロック、F2Poolがマイニング

イーサリアムブロックチェーンは米東部時間9月15日未明、Merge(マージ)が完了し、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)に移行した。プルーフ・オブ・ワーク(PoW)の最後のブロックは暗号資産マイナーのF2Poolがマイニングした。

データによると、Merge前の最後のブロックは15537393。F2Poolは約29,991,429 gweiを取引手数料として支払った。F2Poolはブロックに中国語で「七彩神仙鱼F!(カラフルなエンゼルフィッシュF!)」とメッセージを入れた。

イーサリアム、PoS移行でむしろ中央集権化懸念高まる

Merge完了後の数時間、イーサリアムブロックの40%以上がわずか2つの事業者によって追加された。リド(Lido)とコインベース(Coinbase)だ。

プルーフ・オブ・ワーク(PoW)からプルーフ・オブ・ステーク(PoS)への移行は、ネットワークの中央集権化を打破すると考えられている。しかしMerge後の動向は、そうした希望は実現しないかもしれないとの懸念を引き起こしている。

米SEC委員長、PoS暗号資産への監視強化示唆:報道

米SEC(証券取引委員会)のゲーリー・ゲンスラー委員長は9月15日、ステーキングされた暗号資産(仮想通貨)は連邦証券規制の対象となる可能性があると述べ、イーサリアム(ETH)がまさにそうした手法に移行したことを受けて、監視強化の姿勢を繰り返した。

FTX、企業買収と資金調達を検討:関係者

暗号資産(仮想通貨)取引所FTXは、買収の検討と並行して資本調達を進めているようだ。

同社は複数の買収先を評価しており、その中には個人投資家向け取引プラットフォーム運営企業も含まれているという。交渉は予備的なもので、決裂した場合、同社が資金調達をする可能性は低くなるとこの件に詳しい関係者は述べた。

Merge関連NFTに興味なし? 入札額は作成コストの3分の1──最後のPoWブロックをNFT化

Merge直前、つまりプルーフ・オブ・ワーク(PoW)ブロックチェーンとしてのイーサリアムの最後のブロックがNFTになった。だが「最後のPoWブロック」を市場は少なくとも今のところ、作成者が意図したほど評価していない。

NFTコレクション「VanityBlocks」は、Merge直前の最後のブロックをマイニングした暗号資産マイナー、F2Poolに約30イーサリアム(ETH)、約4万8000ドル(約690万円)強を支払い、手数料として約1.3ETHを使ってNFT化したもの。

だが協定世界時(UTC)9月15日15時(日本時間16日0時)頃、入札はわずか3件、最高入札額は10ETHに過ぎない。2番目の入札額は2ETH、3番目は0.5ETH。

ハッシュパレットのPlay-to-Earn型ゲーム「ELF Masters」がスタート

NFTに特化した独自ブロックチェーンやNFT取引プラットフォームを開発するハッシュパレット(HashPalette)が9月16日、ゲームをプレーしながらデジタルトークンを稼ぐことができるオンラインゲーム「ELF Masters」をリリースする。

ブロックチェーンを基盤とするPlay-to-Earn型のELF Mastersは、16日20時(日本時間)に正式リリースされる。15日から幕張メッセで東京ゲームショウ2022(Tokyo Game Show 2022:TGS)が始まったが、ELF MastersのデビューはTGSの開催期間中での発表となった。

|文・編集:coindesk JAPAN編集部
|画像:Shutterstock