北朝鮮、ハッキングした暗号資産で核兵器開発:国連報告書

ハッキングされた数億ドル相当の暗号資産(仮想通貨)が2020年、北朝鮮の核兵器と弾道ミサイルの開発資金に使われた可能性がある。

8日に国連安全保障理事会に提出された報告書によると、北朝鮮の犯罪集団による金融機関や暗号資産取引所に対する攻撃は昨年も続いたと指摘している。AP通信の9日付の記事によると、国連の専門家は、約3億1640万ドル(約330億円)相当の暗号資産が2019年から2020年11月の間、ハッキングされたと推定しているという。

APの記事は、昨年9月に2億8100万ドル相当の暗号資産が取引所から流出した事件を取り上げている。おそらく米CoinDeskが報じた暗号資産取引所「クーコイン(KuCoin)」のハッキング事件のことだろう。

専門家らは、北朝鮮の情報機関「朝鮮人民軍偵察総局」の活動を調査した。同機関は暗号資産や軍事企業をターゲットにしていることで国連の制裁対象となっている。北朝鮮は、米ドルなどの法定通貨を手に入れるために、中国の店頭取引ブローカーを通じて、ハッキングした暗号資産をロンダリングしていると言われている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:Shutterstock
|原文:UN Says North Korea Funded Nuclear Weapons With Crypto Hacks in 2020: Report