- ビットコイントレーダーは、最近の利益確定売りが価格上昇に影響を与えているにもかかわらず、依然として楽観的な見方を維持している。
- ジーキャッシュやモネロといったプライバシー重視の暗号資産は、大きな関心と価値を獲得している。
- ビットコイン現物ETFには多額の資金流入が見られ、ゴールド(金と)並ぶデジタルヘッジとしての役割が浮き彫りになっている。
ビットコイン(BTC)のトレーダーは、記録更新を成し遂げた最近の上昇相場が利益確定の動きによって一服したものの、今後数週間は価格が安定的に上昇すると楽観視している。
時価総額でトップの暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは、夜間取引中に一時12万ドルまで下落し、市場全体の下落を招いた。CoinDeskのデータによると、イーサリアム(ETH)は過去24時間で2.4%下落し、過去7日間の上昇分をすべて帳消しにした。ソラナ(SOL)、エックス・アール・ピー(XRP)、ドージコイン(DOGE)、そしてカルダノ(ADA)は最大3%下落した。
ビットコインの軟調な動きは、アメリカの現物ETF(上場投資信託)への継続的な需要と矛盾している。今週、ETFには27億2000万ドル(約4080億円、1ドル=150円換算)の資金流入があり、トレーダーによると、これはゴールド(金)と並んでヘッジ手段としてのビットコインの役割が台頭しつつあることを示している。ゴールドも今週、1オンスあたり4000ドルの壁を突破した。
これらの数字は、特に9月の利下げ後、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)がハト派寄りになっていることを考えると、無視するのは難しい。
しかしながら、最近の上昇局面では、足踏みが頻繁に発生している。7月にピークを付けた後、ビットコインは3週間で9%下落し、その後、上昇に転じた。8月も同様の期間で下落したが、下落幅は14%とより深刻な値下がりとなった。
FxProのチーフ市場アナリスト、アレックス・クプツィケビッチ(Alex Kuptsikevich)氏はCoinDeskへのメールで、10月末までに10万7000ドルから11万5000ドルのレンジへの同様の下落が見られる可能性があると述べた。特に、10月29日のFRBによる政策金利決定が重要なマクロ指標として迫っているためだ。
「しかし、このレンジの上限を下回ろうとする動きさえ、市場には懸念材料となるだろう。重要な日、つまり10月29日のFRBによる政策金利決定が迫っているからだ」とクプツィケビッチ氏は付け加えた。
このレンジは現在、押し目買いの買い手と忍耐強い売りポジションの均衡点を定義している。デリバティブ市場は先月ほど過熱しておらず、CryptoQuantは売り圧力が急激に緩和していると指摘している。
今後、ETFへの資金流入こそが、現物需要が持続的なものなのか、それとも単に前倒しされたものなのかを試す材料になるだろう。
マクロ経済の枠組みは大きく変わっていない。アメリカ政府の閉鎖は2週目に突入し、投資家は公式指標の発表について何も知らされていない。それでも、アナリストによると、政府閉鎖によって生じた不確実性は、ゴールドやビットコインといった避難先としての魅力を持つ資産に有利に働く。ゴールドは今週、4000ドルを突破した。
BTCにとって、重要なラインは依然として12万5000ドルだ。この水準まで達すれば、需要が供給を吸収する可能性が高い。逆に、急激に反落すれば、11万5000ドルから11万8000ドルの乱高下に戻る可能性が高い。
プライバシーが再び注目を集める
プライバシーは、ここ数年見られなかった形で市場の話題に再び登場した。ジーキャッシュ(ZEC)は1週間で約80%、夏の終わりからは400%以上上昇した。
モネロ(XMR)、ダッシュ(DASH)、そしてレールガン(RAIL)のような小規模な暗号資産も買い注文を集め、過去24時間で最大40%上昇した。これは、ニアプロトコル(NEAR)のプライバシーメッセージングツールの利用増加、ジーキャッシュなどのトークンへの関心の高まり、そしてイーサリアム財団が今後数カ月以内にプライバシー研究のクラスターを支援する計画を発表したことが背景にある。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:XRP, DOGE, SOL See Friday Pullback as $2.7B Flow to Bitcoin ETFs This Week


