INO(Initial NFT Offering)とは? メリット・デメリット、具体的な事例を紹介

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日本でもさまざまなNFTマーケットプレイスなどを通して入手できるようになったNFTであるが、新しいNFTの販売形式が注目されている。INO(Initial NFT Offering)は、新たに販売されるNFTを申込者の中から抽選で先行販売する仕組みだ。仮想通貨におけるIEO、株式におけるIPOと同じ仕組みでNFTを販売する手法となっている。

本記事では、INOのメリット・デメリットと具体的な事例を紹介した上で、INOに参加する方法まで解説する。

INO(Initial NFT Offering)とは?

INO(Initial NFT Offering)は、NFTの先行販売を行う販売手法のひとつだ。購入の申し込みができる期間を設定し、申込者が一定数に到達した場合は抽選を行い、当選した人のみがNFTを先行購入できる。

NFTプロジェクトにおける新たなNFTの販売方法であり、購入者はNFTの希少性や話題性などを理由に先行で購入するために購入申込を行う。販売数が限定されていることから価値が高まりやすいため、申込者も増えやすい仕組みとなっている。

IEO(Initial Exchange Offering)との違い

INOは、株式の先行販売の方法であるIPOと同様の仕組みで成り立っている。IEOも同様ではあるが、NFTではなく仮想通貨を先行販売して資金調達をする方法となっている。

INOもIEOもIPOもそれぞれ販売の対象となる物が、NFT、仮想通貨、株式と異なり、同様の仕組みで先行販売を行う販売方法である。ただし、INOはIPOやIEOとは異なり、必ずしも資金調達を目標としておらず、別のメリットを求めて実施する場合もある。

INO(Initial NFT Offering)のメリットは?

INOのメリットは2つある。

  • NFTプロジェクトを周知してもらうきっかけになる
  • 継続的に取引されやすい

NFTプロジェクトを周知してもらうきっかけになる

INOを実施するメリットは、NFTプロジェクトに注目が集まり、知名度を高めるきっかけになることだ。INOの実施は話題を集めやすく、NFTプロジェクトを周知してもらうきっかけとなる。INOは資金調達の効率よりも、知名度の向上が目的になりやすい。

継続的に取引されやすい

INOは実際の販売需要よりも限定された数のNFTを販売することから、二次流通による継続的な取引があることも知名度の上昇に貢献しやすいといえるだろう。話題性のある限定販売のNFTの販売であれば、通常の販売では興味を持たなかった人もINOに参加する可能性が高まる。販売したいNFTを幅広い人々に所有してもらうことで、NFTが継続的に取引されるため、NFT市場におけるプロジェクトの知名度が向上しやすくなる。

INO(Initial NFT Offering)のデメリットは?

一方で、INOは通常の販売と比較して以下のようなデメリットも考えられる。

  • 全体の売上は減少する場合がある
  • 二次流通が盛んになりやすい

全体の売上は減少する場合がある

INOは実際の販売需要よりも少ない数のNFTを販売するため、特定のNFT販売で見込まれる全体の売上は減少しやすい。すでに知名度がある場合や、売上の最大化にこだわる場合はINOの実施は適切ではない可能性がある。

しかし、NFTプロジェクトの知名度が向上すれば、次回以降のNFTの販売において販売数が大きく伸びる可能性も考えられるため、将来まで含めて考慮するなら売上が減るデメリットとは言い難い。また通常の販売では売れない可能性があるプロジェクトであれば、結果的にINOを実施したほうがNFTの販売総数が多くなるケースも考えられる。

二次流通が盛んになりやすい

供給が少なく需要が多い場合は、二次流通が盛んになりやすい。供給に対して需要が高過ぎる場合は、想定以上に販売価格と二次流通後の価格が乖離することも考えられる。ただし、NFTは二次流通による売買があった場合もロイヤリティによる収入が得られる仕組みとなっているため、販売後も一定の利益を得ることも可能だ。

INO(Initial NFT Offering)の事例

Coincheck INO:Eternal Crypt – Wizardry BC –

Coincheckが提供するCoincheck INOの第一号案件が2023年8月23日に決定された。ブロックチェーンゲーム『Eternal Crypt – Wizardry BC -』のNFTコレクションであり、リリースに先立って販売されるユーティリティNFTとなっている。ゲーム内容はダンジョン探索型のRPGであり、クリッカー形式のシンプルな操作でありながら、ゲームシステムにおいて高い戦略性を有する。

Coincheck INOで販売される総量は100個(最大10,000まで発行)、購入に使用する仮想通貨はETH(イーサリアム)である。

Zaif INO:FootballUniverse

Zaifが提供するZaif INOでは、Coincheck INOが開始される前から数多くのINOが実施されてきた。ブロックチェーンゲームの「FootballUniverse」は現金などの報酬も設定されているサッカーチームを作るゲーム内容だ。ゲーム内で使用できるクラブNFTがINOで販売された。

ゲーム内のクラブ数は総数が決まっており、INOで販売されるクラブNFTの数も限定されている。購入はMATIC(ポリゴン)を使用する。

Zaif INO:CryptoSpells

Zaif INOで4回目に開催されたINOは、すでにブロックチェーンゲームでも最大規模のカードゲームとして知名度もあるCryptoSpellsの限定カードだ。発行枚数は100枚であり、購入に使用できる仮想通貨はCryptoSpellsを展開するOasysのチェーンで使用されるOASだ。

Zaif INO:NFTカレー

INOは新たにリリースされるブロックチェーンゲームを中心に実施されているが、Zaif INOではほかにもNFTカレーのINOを実施したことがある。NFTカレーとは、NFTと本物のレトルトカレーが紐づいたユーティリティNFTだ。NFTにビーフカレー5つが付属し、保有することで協賛企業からの様々な恩恵が得られる。購入にはAVAX(アヴァランチ)が必要である。

HEXA(ヘキサ):山口県美祢市デジタル住民票NFT

NFTマーケットプレイスのHEXA(ヘキサ)では、山口県美祢市のデジタル住民票NFTのINOを実施している。NFTで山口県美祢市のデジタル住民であることが証明され、特別天然記念物の鍾乳洞「秋芳洞」の入場料が無料になるなどの特典もある。購入は日本円で行える仕組みとなっている。

INO(Initial NFT Offering)の参加方法は?

参加方法は、仮想通貨取引所やNFTマーケットプレイスによって異なるが、基本的には以下の流れで参加できる。

  • INOに参加したい取引所やマーケットプレイスのアカウント・口座開設
  • 購入に使用する仮想通貨の用意
  • INOの実施期間中に購入申込を行う

INOでは、プロジェクトによって様々な種類の仮想通貨を求められる。購入に使用する仮想通貨を用意するなら、Coincheck INOを実施しており、さまざまな仮想通貨を購入できるCoincheckや、取扱通貨が非常に多く、今回紹介した事例の仮想通貨をすべて取り扱っているbitbankの口座を開設しておくとINOに対応しやすい。

Coincheck(コインチェック)

2012年に設立されたコインチェック株式会社が運営する。2018年に大規模なハッキング事件が起きたが、その後、東証プライム市場上場企業であるマネックスグループの傘下で経営再建を図った。

つみたてや貸暗号資産などの長期投資向けのサービス、NFTの売買ができるマーケットプレイス、ガス・電気料金をビットコインで支払うユニークなサービスもあり、幅広いサービスが充実している。

また、取引ツールとなるスマホアプリが使いやすく、仮想通貨を初めて取引したい人に向いている。

項目概要
取扱仮想通貨29種類
手数料無料
最低取引数量円建てで500円相当額
スマホ対応アプリ「Coincheck Bitcoin Wallet」
セキュリティマルチシグ、コールドウォレットなど
  • アプリは使いやすく、注文方法も簡単。手数料もリーズナブルで使いやすく、欠点を探すのが難しいくらいの取引所だと思います。

    ★★★★★5点
    (50代・女性)
  • とくに、チャートの見やすさがバツグン。取引ができる通貨の種類が多いところも、Coincheckのウリだと思います

    ★★★★★5点
    (20代・女性)
  • 良いところは初心者でもまごつかないアプリが用意されていること。仮想通貨初心者ですが、使い方をマスターできることが嬉しい。

    ★★★★4点
    (50代・女性)