「ゴールドはビットコインより優れている」その根拠は?

ゴールドを販売している人たちは、グレイスケール(Grayscale)の広告「Drop Gold(ゴールドを捨てよう)」に少しイラついている。

特にGoldMoney.comは投資家にゴールドはビットコインよりも「優れている」と確信させるために多大な努力をしている。グレイスケールの広告と同じようなやり方で。

同社は、ゴールドはさほど悪いものではないと人々に納得してもらうためにインフォグラフィックとホワイトペーパーを作成した。

GoldMoney.comの創業者、ロイ・セバーグ(Roy Sebag)氏はこの件について、かなり言いたいことがあるようだ。ホワイトペーパーはグレイスケールの親会社デジタルカレンシーグループ(Digital Currency Group)の創業者、バリー・シルバート(Barry Silbert)氏に対する批判で始まった。

「ゴールドを捨てよう」キャンペーンは、私の個人的な見解では、十分に考えられておらず、私がソーシャルメディアで繰り返し述べてきたように、「酸素を捨てよう」とか「銅を捨てよう」といったフレーズを発することと同じくらい本質的に非常識。

要するに、このキャンペーンは長くは通用しないし、最終的に仮想通貨コミュニティーの理想と目的を損なうリスクを冒すことになると考えている。仮想通貨コミュニティーは多くの場合、太古の昔からごく最近(1971年、リチャード・ニクソンによるアメリカの歴史上初の、かつ表面上は一時的な金本位制の停止)まで、人類が築き上げてきた共同社会の拡大を強調し増幅してきた健全なゴールドの原則の復活に向けて、社会を再構築したいというその願望を素直に実現してきた。

さらにより明確に言えば、私は仮想通貨コミュニティーの広いビジョンに共感しており、グレイスケールとシルバート氏は、今回の行為を通して、コミュニティーを代表するわけでもなく、その中核的な目的に対して利益をもたらさない、致命的な判断ミスを行ったと感じている。

セバーグ氏は、ビットコインはグレイスケールの広告で謳われたいたような重さのないものでは決してなく、実際はゴールドより重いと主張した。そう、重いサーバーでホスティングされている!

さらに同氏はゴールドは絶対的な有用性があると述べた ── ビットコインを作るために使われている!

「ビットコインはゴールドの存在を必要としている。だがゴールドはビットコインの存在を必要としていない」

セバーグ氏は細かい違い ── つまりは、ビットコインはデジタル資産で、実体がなく、無味無臭であり、一方、ゴールドは実体があり、首にかけることができる ── をあげているが、同氏の主張はシンプル。貴重な財産としてのゴールドの価値を低く見てはいけない、ということ。

もちろんマーケットは同意するだろう。ゴールドの取引価格は1オンスあたり1000ドルを超えている。しかし、投資としてどれくらい保有すべきかは、依然として難しい問題。同氏のインフォグラフィックスが何と言おうと。

翻訳:Masaru Yamazaki
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:Image via Shutterstock
原文:‘Gold Is Superior to Bitcoin,’ Say People Who Sell Gold