VanEck、イーサリアム現物に投資しないETFを計画──SECの対応に注目

ニューヨークに本社を置き、投資信託を中心に資産運用サービスを手がけるVanEckは、暗号資産(仮想通貨)のイーサリアムにフォーカスした上場投資信託(ETF)の組成を計画している。

VanEckは18日(米東部時間)、「イーサリアム・ストラテジーETF」の書類を米金融規制当局に提出した。同ETFは、イーサリアム先物とイーサリアム私募ファンド、カナダ当局が承認しているイーサリアムETFなどに投資を行い、イーサリアム現物に資金を投下することはない。

VanEckはすでに、イーサリアム現物に投資するETFの申請も米証券取引委員会(SEC)に提出している。米国では、VanEckの申請の他にも複数のビットコインやイーサリアムに直接投資するETFの申請書類が、SECに提出されている。しかしSECは、これまで暗号資産ETFの承認を見送ってきた。

暗号資産の現物に直接投資するETFは「1933年証券法」に基づく商品の部類に入るが、VanEckが今回明らかにしたイーサリアムの現物に間接的にリンクするETFは、「1940年証券法」に基づく商品カテゴリーに入る。

後者の商品設計は前者に比べて、投資家保護により重視したものと言われている。

ゲーリー・ゲンスラーSEC委員長は今月、ビットコイン先物に投資するETFの方が、現物にリンクするETFよりも現実的ともとれる発言をしている。現在、米国で承認されている暗号資産の先物取引は、ビットコインとイーサリアムの2種類だけである。

VanEckのイーサリアム・ストラテジーETFは、現物以外のイーサリアム関連商品に投資するよう設計されていることから、SECの対応に注目が集まる。また同社は、イーサリアム・ストラテジーETFの設計に類似した、ビットコインETFの申請もSECに対して行っている。

|編集:佐藤茂
|画像:ニューヨーク(Shutterstock)
|原文:VanEck Adds to ETF Applications With Ether Futures Filing