マイニングの熱を市全体に供給──CO2削減を目指すカナダのスタートアップ

カナダで暗号資産(仮想通貨)マイニングとクリーンテクノロジーに取り組むスタートアップ「ミントグリーン(MintGreen)」は、地元のエネルギー会社と協力し、ビットコイン・マイニングによって発生した熱をブリティッシュコロンビア州ノースバンクーバー(North Vancouver)市に供給する。

熱源は2022年に導入され、天然ガスと比較すると、1メガワットあたり2万トンの温室効果ガスが大気中に放出されることを防ぐという。

ミントグリーンが開発した「デジタルボイラー(Digital Boilers)」は、ビットコイン・マイニングに使用される電力の96%を熱として回収し、地域の熱源としたり、産業利用する。

マイニングで発生した熱を取り込む独自技術によって、温水を作り出し、顧客のもとに送り届けると同社CEOのコリン・サリバン(Colin Sullivan)氏はCoinDeskのインタビューに答えた。

コインシェアーズがシードラウンドに参加

3月16日、暗号資産投資会社コインシェアーズ(CoinShares)は、ミントグリーンのシードラウンドの資金調達に参加したと発表、ミントグリーンのシステムは、産業規模の温水供給に対応していると述べた。

同社と提携しているエネルギー会社は約100棟のビルにサービスを提供しており、同社は長期契約に基づいて熱を販売するとサリバンCEOは付け加えた。

ビットコイン・マイニングで発生する熱の利用は、新しいことではなく、むしろ小規模だが世界中で行われている。

サリバンCEOによると、ミントグリーンは2022年冬までにシステムを稼働させ、同社技術を大規模展開した初の事例とすることを目指すという。

ノースバンクーバー市の人口は、2016年時点で5万2898人。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:ノースバンクーバー市(Shutterstock)
|原文:How a Startup Is Supplying a Whole City With Heat From Bitcoin Mining