暗号資産マイニングへの機関投資家の関心拡大、だが評価に大きな懸念

ビットコイン(BTC)と暗号資産マイニング会社株に対する機関投資家の関心は高まっているが、機関投資家のほとんどはこのセクターにまだ慣れておらず、マイニング会社株の評価に不安を持っていると25日、ウォール街の投資銀行兼調査会社のDAデビッドソン(D.A. Davidson)のアナリストは記した。

最近、ポジティブな見通しで暗号資産マイニング会社のリサーチを開始したアナリストのクリストファー・ブレンドラー(Christopher Brendler)氏は、決済セクターをカバーしているウォール街のブローカーのうち、ビットコインを真剣に検討しているのは今年はじめは約5%で、現在は約15%と推測していると述べた。

「ほとんどの投資家はこの分野にまだ慣れていないが、すでに参加している投資家もかなり存在し、当社の新しいリサーチを深く掘り下げることができた」(ブレンドラー氏)

ブレンドラー氏は、すでにこの分野に参入している投資家のほぼ全員が暗号資産マイニング会社に対する同氏の短期的な強気の見通しに同意したと述べた。だが、懐疑的な見方も多く、そのほとんどが評価に関するものだった。

先週、ビットコインが史上最高値を更新し、暗号資産マイニング会社株がビットコイン自体のパフォーマンスを上回っていることから、投資家はマイニング会社の評価と方向性について懐疑的になっている。マラソン・デジタル(Marathon Digital)とライオット・ブロックチェーン(Riot Blockchain)の株価はこの1年でそれぞれ約1500%、約600%上昇、一方でビットコインは約380%だ。

「伝統的な評価指標が適用できない可能性があることは否定できない。このセクターでは将来のキャッシュフローを予測することは非常に難しい」(ブレンドラー氏)

だが、暗号資産マイニング会社は収益のほとんどを暗号資産のマイニングから得ており、マイニングした暗号資産を可能な限りバランスシートに保有する傾向があるため、ビットコイン価格に大きくレバレッジを掛けていることは注目に値する。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:Institutional Investors Growing Curious on Crypto Mining but With ‘Plenty of Skepticism,’ Analyst Says