FTX、20億ドルの投資ファンドを設立

暗号資産(仮想通貨)の取引サービスを手がけるFTXが、20億ドル(約2280億円)の大型ファンドを設立した。同業界のスタートアップへの投資を加速させる。

FTXと同社創業者のサム・バンクマン・フリード(Sam Bankman-Fried)氏が、新たに組成されたFTX Venturesに資金提供を行った。一件あたりの投資額は10万ドルから数億ドルを想定している。FTXのファンド組成については、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が先に報じ、同ファンドの責任者であるエイミー・ウー(Amy Wu)氏がツイッター上で明らかにした。

ウー氏は今月にライトスピード・ベンチャー・パートナーズ(Lightspeed Venture Partners)社からFTXに転職したばかりで、新設したファンドのすべての資金は来年までに投下していくと述べている。WSJの報道によると、ウー氏は投資ターゲットとして、暗号資産を活用したゲーム開発を行うベンチャー企業や、保険・セキュリティに関連するソリューションを開発する企業などに注目しているという。

FTXは昨年10月、約4億2000万ドルの資金を調達。同社の企業評価額は250億ドル(約2.9兆円)に達した。コインベース(Coinbase)やバイナンス(Binance)などの暗号資産取引所を運営する世界大手も既に、ベンチャーファンドを設立し、投資活動を行っている。

ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などを中心に、暗号資産価格が高騰した2021年は、同業界に注目する投資ファンドの増加が目立った。11月には、投資会社のパラダイム(Paradigm)が、同業界で最大規模の25億ドルファンドを立ち上げた。

|編集:佐藤茂
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|原文:Crypto Exchange FTX Establishes $2B Fund to Invest in Crypto Startups