GoogleもAmazonも注力──1分でわかるGAFAのブロックチェーンの取り組み

すでに生活のあらゆるシーンに浸透しているGAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)。ブロックチェーンの分野でも大きな存在感を見せつつある。4社の取り組みや開発の現状をリリースや報道から見ていこう。

Google……BigQueryとChainLinkが連携、DApps開発促す

企業向けビッグデータ分析サービスBigQueryにビットコインとイーサリアムのデータフィードを2018年に開始。2019年2月にはビットコインキャッシュやライトコインなども追加され、BigQueryでは8種類のブロックチェーンデータを解析できるようになった。

またグーグルは2019年6月に、BigQueryにChainLinkの技術を統合したと発表している。ChainLinkはブロックチェーンと外部システムとのAPI接続をするための技術を開発しており、BigQueryとChainLinkの連携により、クラウドデータを活用したDApps(分散型アプリケーション)の開発促進が期待されている。

Amazon……AWSなみに浸透するか?「アマゾン・マネージド・ブロックチェーン」

すでにAWSで企業向けのクラウドコンピューティングサービスを提供、世界シェアで首位を争うほど浸透させているAmazonだが、ブロックチェーンネットワークを簡単に立ち上げられるサービス、アマゾン・マネージド・ブロックチェーン(Amazon Managed Blockchain)も提供している。ネスレ(Nestle)、アクセンチュア(Accenture)、AT&T、ソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)などが利用している。

アマゾン・マネージド・ブロックチェーンでは、ハイパーレッジャー・ファブリック(Hyperledger Fabric=IBMらが開発を進めるオープンソースのフレームワーク)やイーサリアムを使ってブロックチェーンをセットアップできる。「わずか数回のクリック」で始められるほどの手軽さで、料金はスターター版(テスト兼小規模ネットワーク用。最大5メンバー。メンバーごとに2つのピアノード作成可)ならメンバーシップ料金が1時間0.3ドルとなっている。

Facebook……コンソーシアム型からパブリック型へ移行予定、リブラ・ブロックチェーン

Facebookはデジタル通貨「Libra(リブラ)」の構想を発表、ホワイトペーパーも公表しており、リブラはリブラ・ブロックチェーン上でトークンとして発行される。

リブラ・ブロックチェーンには仮名性があり、ユーザーは複数のアドレスを持つことができる。開始は2020年前半を見込み、コンソーシアム型として運用されるという。5年(2025年)をめどにオープンなパブリック型に移行する計画だ。スマートコントラクトの開発には、新しい言語「Move」が採用される。

リブラ通貨には法定通貨や短期国債のリザーブ(準備金)がある。価格の安定した通貨になるとされる。スイスに設立されたリブラ協会が、リブラの作成や償却(バーン)を行う。協会の運営は評議会が担うが、創立者としてマスターカードやビザ、イーベイ、アンドリーセン・ホロウィッツなどが参加している。

Apple……SECが公表した文書から浮かび上がるサプライチェーンでの取り組み

GAFAの中では最もブロックチェーンに関する動きの見えにくいApple。開発や検討について公式に述べられた文書は見当たらないが、米国証券取引委員会(SEC)に提出した書類から、ブロックチェーンとの関わりが浮かび上がっている。

アップルは、大手企業140社以上が参加しているビジネスアライアンス「Responsible Business Alliance(RBA、責任ある企業同盟)」に参加している。この同盟における鉱物のサプライチェーンに関するイニシアチブ「Responsible Minerals Initiative」で、「ブロックチェーンガイドライン」の作成に関わっていたことが、SECが公表した文書「Summary of Apple’s Commitment to Responsible Souricing」から明らかになっている。

文:CoinDesk Japan
編集:小西雄志
写真:Shutterstock